10月12日 ぼくらは黒ゴスに夢を見る
シグナルヴァイオレットを発動せよ……(私の地方の方言で、今回の話は人を選びますよの意味)。
雪車町地蔵だ。
ゴシックロリータにも種類がある。
だが、特定の年代を生きた人間を殺すのは、往々にして黒ゴスだ。
甘ロリとか、普通のロリータとかね、そんな生易しい破壊力じゃあねーんだ、優しさなんて欠片もねー殺戮マシンなんだ黒ゴスってやつは。
三種の神器がある。
ブーツ、手袋、そしてヘッドセットだ。
見ろ、この時点で致死量だ。
ひとによっては眼帯がプラスされて即死する。メガネは今日もどこかで割れる。
身長を欺瞞するための厚底ブーツ。それが隠れるぐらい長い裾、フリルの裾、なぜか側面と全面でセパレートしており無駄に豪奢なドレスのスカート。
腰の部分はキュッとくびれ、なぜそんな装飾過多な意匠の上からわかるのかわからないほどキュッとくびれて、腰の後ろに大きめのリボンがあったりなかったりする。
肩にパットが入っているかどうかは運しだいだ。
だが、高確率で二の腕のあたりが露出しており、やたら長い肘まであるハンドグローブをはめているし、何なら手のひらだけ別の種類の手袋が付いている。フェッチかよ。
トドメにヘッドドレスだ、単色でも破壊力は抜群だが、無駄に凝っている中央部分だけ黒いやつだと死ぬ。死ぬというか死ぬ。三回ぐらい死ぬ。
黒ゴス。
それは中二病患者も邪気眼患者もそれ以外も一切の区別なく焼き殺す容赦なしの殺戮マッシーン、鏖マジーン。
イマジネーションでぼくらは死ぬのだ、想像力が足りなかったというのか……
とにもかくにも何が言いたいのかといえば、黒ゴスは黒ゴスであるということだ。
最強とか至高とか、そんな言葉はあまりに無意味だ。
なぜなら黒ゴスは黒ゴスだからだ。
祝え、黒ゴスの誕生を!
……本日は以上だ。
(どうした、ついに気が触れたか?)
(正気さ、水銀党ほどにはな)
(特定のワード出すのやめろ)
(私はブラックロッジの信徒です! 法の言葉はテレマなり! エセルドレーダさんに安息あれ! それでは、アデュー!)
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