9月24日 月がきれいですねと言いたかったこんな夜にはポイズン
ブレイククラウド!
隙間から雪車町地蔵だ!
中秋の名月ということで、お酒の相手をしてもらおうなどという話をしていたのだが、あいにくの天気になってしまった地方のものだ。
……とまあ、言葉の上では拗ねてみせるのだが、正直に言えばとても飲酒に耐えられるような体調でもないので遠慮するつもりだった。
渡りに船とは、このことである。
合法的な言い訳を手に入れ、お断り謹んで申し上げたものの、一緒に過ごせる時間が一つ減ったことに違いはない。
まこと残念である。
月見酒の風雅さを例えるのなら、あの何とも言えない時の流れ方であろう。
見るでもなく宙空に思いを馳せ、金に銀に輝く月の、冷たくもあり、穏やかでもある光を視る。
そうして一口、杯を口に運ぶ。
舌の上で転がして嚥下し、ふぅと息をつけば。
その吐息の上に、しんしんと月光が降り注ぐ。
さてとまた、夜空を見上げ。
その美しさにうっとりしていると、杯にいつの間にか酒が満ちている。
そのことに笑みを浮かべる──
と、こう言ったものだろう。
月の美しさを肴にするのもよし、このように流れる時間に背を預けるのもまたよしである。
あいにくの空模様ではあるが、雲の上に、いつだって月はあるものだ。
読者諸氏は、そっと脳裏に月輪を思い浮かべ、お酒をたしなんでみてはどうだろうか。
それは案外、穏やかな時間かもしれないから。
以上。
(でも今日は飲むなよ)
(飲めと言われても飲める状態じゃないですって。今日明日は安静)
(いつものことよ)
(是非もないネ! それでは、アデュー!)
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