8月21日 早朝から魚を捌くこと

 アガリいっちょ!

 雪車町地蔵だ。


 私としては本意ではないのだが、必然的に家事一切を掌握するものとして、予期せぬ調理に挑まなくてはいけないときがある。

 つまり今日だ。


 コノシロ。

 キンメダイ。


 今回の敵は、強敵だ。

 いや、そうでもないか。

 私と読者諸氏で、ダブルシェフだからな。


 まず、コノシロってやつはうろこが多い。

 徹底的に、繊細な手つきで、隅々まで鱗を剥ごう。オススメは細身のナイフだ。


 鱗をはいだら、頭を胸鰭の後ろから落とす。

 腹鰭ごと切り落とし、内臓を取り出す。

 一度、血合いまで洗ったら、三枚におろそう。

 こいつはやたら小骨が多いので、腹の骨は肉ごと切り落としてよい。この辺は後で、骨せんべいにする。

 つぎに、すし酢、酒、水、昆布だしを1:1:1:1の比率で混ぜる。

 これに、コノシロを通すことで、臭みが嘘のように取れる。しっかりとクッキングペーパーで拭き取れ。


 あとはお好みだが、前述したように小骨が多いので、細く切っていく。

 銀色の肌も相まって、美しい。


 食べるときは、ポン酢か醤油。ワサビ、ショウガ、ニンニクなどと相性がいい。

 うまい。



 そしてキンメダイだ。

 鱗をはぎ、内臓とえらをとり、よく洗ったら、霜降りをする。

 沸騰させたお湯に少し水を差し、それをまんべんなく流しかける。

 あとは水で洗い、血合いやぬめりを落とす。


 煮つけにするので、裏面に一本、表に縦二本の切れ込みを入れる。

 酒、みりん、砂糖、水、醤油、薄く切ったショウガを煮立たせ、そこに投入。

 落し蓋をして中火で、絶えず鍋の縁が泡立つ程度に4分ほど煮る。

 落し蓋を取り、さらに3分。

 これで、煮汁をつけて食べるタイプの煮つけが完成だ。



 朝っぱらからやるにはあまりにカロリーが高いが、必要ならやるしかない。

 おいしいご飯を召し上がれ。



(持ち込みは歓迎?)

(歓迎ですが、量と時間によります。面倒なものは面倒です!)

(主婦は一年中休みなくだな)

(本当、頭が下がりますよ、私は兼業なので。それでは、アデュー!)

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