7月19日 夢見が悪い

 ドリームオン!

 雪車町地蔵だ。


 読者諸氏は、悪夢をみたことがあるだろうか。

 夢路の中に忍び込む、一握りの悪意と嫌悪。それが悪夢だ。


 それ自体に力はないが、しかしときに、私たちの心を縛る。

 朝目が覚めた時、ひどく不安なときはないか。

 息苦しく、大事なことを忘れているようなときは。

 握り込んだ手のひらから、砂が零れ落ちていくような焦燥感は?


 それが、悪夢だ。


 怖いだけの夢、苦痛だけの夢は、悪夢ではない。ただの辛いことだ。

 悪夢の悪夢たるゆえんは、それが夢を超えて私たちを不安にすることだ。

 

 だからこそ、それに打ち克つ方法は簡単ともいえる。


 夢は夢にすぎない。


 たったそれだけを口にすることができれば、悪夢はたちどころに力を失うだろう。その本質が、はかないものであるがゆえに。


 読者諸氏が悪夢に震えるとき、そっと思い出してほしい。

 善き夢も、また悪夢も。

 夢はただ、夢に還るだけなのだと──



(またもポエット!)

(夢は必ず覚めるもの。しかしていつか叶えるものという言葉は好きです)

(結局ポエットかー。いい加減目を覚ませよ)

(いや、私はこれでも、夢追い人なので。それでは アデュー!)

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