第二章 極限 ハフニウム

のび太くんのポケット~ 




 夏休み暇すぎて、校則破ってバイトをしようかなと思っている今日この頃です。こんにちは。生きてます。


 最近は星新一さんのショートショートにハマっていて、自分でもちょっと書いたりしてるんだけど(よかったら見てね!)、何本か読んだ感想として、意外と風刺的なものはないんだなあと感じた。もっとゴリゴリに現代世界を批判しているのかと思いきや、小学生でも理解できるようなSFものが多くてポップな曲調を主軸にしているんだなあと。たまに風刺作品を出すことがあっても、現代でなはなく未来の話だから「てめえ俺ら皮肉ってどうするつもりなんだ? オイ」とかいわれなくてすむし、かなり婉曲して深読みしないとメッセージが受け取れないようにもなっている。


 これがわりと難しい。婉曲的に書くのって。まず批判するものを何に喩えて、どういうストーリー展開にしていくか、起承転結を一から考えなきゃいけないから。だから星さんのストーリーはよく練られているし、「どっからその発想持ってきたの!?」と教えてほしかったものである。


 ところで僕は前まで、SF作品に対して結構苦手意識があった。そもそも「スターウォーズ」とかそういう系統の作品を見ていなかったこと、逆に好きなものが刑事ドラマとか青春ものとか「リアル」さを重視した作品群であったこと、さらに某いつものあの小説たちと似ているようなイメージがあったから自然と避けていた。でも、実は結構前からSFものを僕は触れていたことにふと気づいた。


 何を隠そう、それはドラえもんです。

 あれはSFに入るのかっていう疑問はあるけど、過去と未来を行き来するし、当時(ていうか今でも)持っている科学技術を超えた「秘密道具」を登場させていたのでまあ入るといっていいでしょう。それよりも、作者の藤子・F・不二雄が元々SF短編漫画を描いていたことからも裏づけができる。


 その短編漫画がめちゃくちゃ怖い。もうトラウマものです。ドラえもんのギャグ調がどこへ行ったの? ていう感じで。ガキの頃それで一回騙されて読んだら、夢にまで出てきたぐらいのリアルな恐怖。これって、お化け屋敷とかで体感するような「驚きからくる恐怖」じゃなくて、ねっとりくるようなただただ怖いストーリー。あれはどんな話だったっけ。なんか、会社員のおっさんである自分が何人もいて、UFOがいて、洗脳?されて……だめだ、思い出せない。とにかく脳裏へここぞとばかりに焼き付けられたなぁ。


 そして、意外にも星さんとFさんの両氏には共通点がある。SFだし、地球の果てを予知して背筋の凍る作品を世に出しているし。Fさんの方はあまり知られてないけど、漫画でサクサク読めるので私はおススメしたい。まあ、ドラえもんの中でも「人間製造機」とか明らかに児童向けじゃない異色ホラーも作っていて、それに近いテイストかな? 


 暑さを解消したい人はぜひ。












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