登場人物の名前の決め方――小説創作



 平成子どもの名前ランキング(三十年間で一位を獲得した回数)が発表されましたね。男子一位は「大翔」、女子一位は「美咲」だそうで。現学生である僕ですけども、この名前の付いた人に今だ遭遇しないという……。フシギ。ちなみに男子二位の「翔太」にはこれまで二人出会っていますが。


 余談だが、個人的に有名人の名前から取りれるのはどうかと思いますけどね。だって、もしその人がえげつない罪犯したら目も当てられないじゃないですか。子ども泣くよ? 「犯罪者の魂を継ぐ者」みたいになっちゃってさ。話題になってる名前でも一時的なブレイクで終わっちゃうこともあるのにね。その空気の「ノリ」で一生子どもが背負ってく称号を与えるのは、リテラシーがないのではと。


 で、このランキングは小説創作において、登場人物の名前を考えるときにとても役に立つのは想像つくであろう。より一般的な「普通の子」のイメージを読者に植え付けるために。


 でも、今「佐藤大翔」っていわれて「ん?」と違和感が生じるのではないか。なんとなく、ノーマルではない気がしますよね。「山田太郎」のほうが「ザ・普通」だと感じる。


 まあ、それは「山田太郎」が古くてダサいからだからだろう(山田さんごめん)。どこか昭和っぽさを名前から与えられる。だから、「佐藤大翔」も令和二十年ぐらいになれば、「え? くっそ古ww」という反応が一般的になるのでは。その時代には、「大翔」の名前で日本が埋め尽くされるだろうし。


 ということで、現時点で「大翔」を「メジャーな名前」として扱うのはやめたほうがいい。むしろ、再ブームしてるであろう「一郎」とかを使おうぜ!


 創作物で名前をつけるとき、作家さんは物凄く労力を使うそうで。以前、三浦しをんさんのインタビュー記事を読んだとき、「登場人物の名付けが一番難しい云々」とおっしゃっていた(たぶん)。カクヨムユーザーさんの中に、名前の由来とかをちゃんと調べて納得するまで悩んでいるんだとしたら、それはそれで素晴らしい。


 僕は大体勘で決める。勘、というかその人物に合いそうな名前を、自分が持っているイメージと合わせて「これだ!」と組み合わせる感じだ。


 氏でも名でも、その名前にイメージってものがあるのじゃないですか。例えば、「結衣」さんだったら「かわいい系」だみたいな。もちろん、これは個人で違うものであるので一概に正しいとはいえない。小中高大と今まで関わっていた知り合いからもたらされるイメージは大きいだろうし。


 だから、僕はかなり自分勝手な名付けをしてることになってしまう。それはごめん! でも、自分の中で定まっている基盤に逆らいたくないのでね。


 考えてみれば、世の中には腐るほどある名前からどの一つの組み合わせを抽出するって結構大変じゃね? 無限にあるんだもん。なのでどうしても自分の感覚に頼らざるをえないところがある。もしかしたら僕の名付け方も全然普通かもしれないし。


 あ、あと。ネタで付ける名前も好き。叩木上雄(たたきあげ男)みたいな。これ、僕もやってみるんだけど、意外と時間がかかるんですよ。ただ当て字にすればいいってものじゃなくてね。響きとか、いいやすいとか、物語の情景に合っているとか。気にするところが多々ある。


 さて、自称名前にこだわる王の私なんですが、中学のとき名前の由来を訊く宿題があったんですよ。母親に、


「俺の名前の由来ってなあーにー」


「あんたの? うーん、なんとなく」


 ……(・┰・)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る