エロいの(タイトル思い付かん)
シキ
あり得るかも知れない物語の一幕
「やぁやぁ黒の聖女様! ちょっと相談に乗ってくれないかい!」
「その呼び方辞めてくださいって!」
何度も呼ばれ町中でも定着してしまった呼び方にメリーは涙目で否定する。
「まぁ、いいです。私が諦めればいいんです。 しくしく……」
今にも崩れ落ちそうなほど項垂れるメリーに町のおばち「あ"あ"?」こほんお姉さんは無視して話を続けます。
「教会の二人がもどかしくてね、なんか良い薬はないかい?」
「聖女様とるーさんですか? たしかにあれだけアピールしてるのに気づいて貰えないのは笑いを通り越して憐れみすら覚えますが」
さらっとひどいメリーにおば……お姉さんは続け、
「で、町の皆と相談したんだけど無理矢理にでもくっつけちまえって結論になってね。あの朴念仁も聖女様に押し倒されれば流石に気づいて覚悟を決めるだろうしね」
「聖女様が押し倒すの前提ですか!?」
「そりゃあの朴念仁から手を出すとは考えにくいだろう?聖女様が押し倒す方が現実味があるだろう?」
なかなか過激な町の皆さんでした。それだけ聖女様が愛されてるとも考えられますが。
「で、なんか良い薬はないかい?体に毒ではない媚薬的なものでお香みたいなものだと良いのだけれど」
「お香ですか?」
薬を盛るんじゃないのかな?とメリーが考えていると、
「お香の方が気づかれにくいだろう?お菓子に薬を盛っても効果は小さそうだしね」
なかなか計画的でした。
「うーん、聖女様もるーさんが好きなのは私も知っていますし夫婦でもないのに甘ったるい空気を出されるのは胸焼けしてきますし、やりましょうか」
「黒の聖女様も混ざってしまいなさいな。貴女もあの朴念仁に好意があるんだろう?」
「にゃ!なにを言うのですか!」
唐突に自分も巻き込まれて慌てるメリーに、
「それに貴女達に子供が出来てこの町に居着いてくれれば私達も安心して暮らせるしね。それに貴女達はもう町の皆の家族みたいなもんだから幸せにしてるのを近くで見てたいんだよ」
「わ、私が混ざるかは別として薬は作ります。あの二人には幸せになって欲しいですし」
こうして、聖女様とるーさんをくっつける。そして魔女さんも一緒にくっつけようと町の人達の計画が静かに、確実に進んでいくのでした。
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