第14話 温泉に入ろう!
昼食の後は食後の運動です。
少し周りを散策してみる事にしました。当然、
此方にも四季があるらしく、今は晩春になり少し風が吹くと肌寒く感じる事もあった。
ただ、天気が良く日の光を身体に受ければポカポカと暖かい。
今居る場所は
少し気温が低いためか? 温泉を覆うように湯気が立ち登っていた。
近くまで行き水底を確認すると、底は岩盤部分と砂が混じり、所々の岩盤の割れ目から温泉が湧いているようで砂が舞い上がっていた。
水深もそれ程深くは無さそうだが、中央部はどうなのだろう? 気になったのでリリスに鑑定機能で確認出来るのか聞いてみる事にした。
「リリス、鑑定機能で湖底図とか見る事が可能かな? 応用すれば温泉の深さも確認できそうだし 」
いきなりドボンじゃ心臓に悪いしね。
『マスター。 水深調査も可能なのです。まず3D表示してからクルクル回す感じで動く筈です。
思考操作が難しければ映像を手で掴む感じで動かせますし、水深も表示されるのです 』
言われた通りに操作すると、温泉の底の状態が表示された。
階段状で深くなっていて外延部の深さ六十センチ、中央の最深部で一メートルから二メートルほどで
「お兄ちゃん。 凄く綺麗なお湯だね? 濁り湯とか想像していたけど……泉質もわかるのかな? 」
その質問にリリスから
『
泉質の鑑定結果は
「ナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物・炭酸水素塩泉で、湯温も四十二℃だって 」
と湯加減も丁度良い様であった。
湖畔を歩きながら沙弥華とリリスが何やら話している。
システム関係のレクチャーを受けているようだ。
地球と違った生態系の星、動植物に似た物は多いそうだが微妙に違うらしく、時折驚きの声を上げていた。
自分はボーッと湖面を眺めていた。
時折
魚影が濃いようだ!
そのうちにカヤックを持ち込んで湖上散歩がてらロッドを振りたいと思う。
◇ ◇ ◇ ◇
湖畔を暫く散策しテントに戻ると、少し早めに夕食を準備した。
今夜は、ダッジオーブンを使った鶏肉のトマト煮をにしようと準備をはじめる。
焚き火台を準備し、薪に火を
この時間も楽しい。
その傍らでは、沙弥華が米を
その様子をリリスが面白そうに眺めている。
この二日間で二人はかなり仲良くなった様で、沙弥華の肩に
その姿は何とも微笑ましい。
自分も椅子に腰掛け炎を眺める。
炎がち着いてきたところでダッジオーブンを火にかけた。
ダッジオーブンにオリーブオイルと刻み
鶏肉に焼き色が付いたところで用意してあった材料をダッジオーブンへ投入。
櫛切りの玉ねぎと刻んだピーマン、パプリカ、ジャガイモを入れ、味付けに固形タイプのブイヨンを溶いて加える。後は水煮のカットトマトと野菜ジュースを注ぎ、
野菜ジュースはあの有名なメーカーの物を使っている。
トマトジュースでも美味しく出来るよ。
三人で美味しく頂きました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
待ちに待った温泉に向かいます。
流石に兄妹とはいえ、全裸ではねぇ~と言う事でタオルは巻いてますよ。
沙弥華から先に行ってもらって、入湯後に念話で行っても良いか連絡を貰う。
湯に浸かると、湖と繋がっているかのように一体化した様は、
海に溶け込むようなインフィニティバスが有名だが、それの湖版だね。
湖面には波が立ち、月明かりを反射してキラキラと揺らめく様が幻想的だ。
波の音を聴きながら空を見上げると、吸い込まれそうな星空が迫ってくる。
「このために熱燗を用意したんだよね~ 」
最高のシュチュエーションで日本酒をチビリと一口含む、芳醇な香が広がり何とも言えない味わいだった。
「景色が最高の肴とは本当だったよ!」
横を見ると
「沙弥華も飲むか? 」
「いただく~ 」と言ったので、二人してお猪口を合わせ乾杯した。
三人は気の済むまで温泉と星空とを楽しんだ。
ちなみに、リリスも温泉を存分に堪能しておりました。
だって、泳いでいましたから……!?
羽が濡れるのを嫌うかと思ったが、その心配は無用らしく水に濡れないとの事だった。
不思議だね。
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