アルスノドア

夕浦ミラ

プロローグ

 かつて、人は罪に溺れ人の世は罰に溢れた。世界の創造主たる神は罪のある人々を地下に押し込め贖罪を待った。気の遠くなるほどの時の流れに罪の人々は正気を失い、姿かたちを変え異形と化した。やがて、罪の世界に救世主があらわれた。人々の罪の枷を集めその身に纏い贖罪の偉業をなした。罪の根源たる人間の闇をその身に受け枷で封じると世界の境界が壊れ、罪の人々は解放された。

 しかし、異形より人の姿を取り戻した人々は百年、また百年と世代を重ねるごとに、その本質をあらわにし魔族として人の世を脅かし人によって滅ぼされた。 

 そして、その生き残りたちは散り散りとなり、しかし安息を求めある場所を目指すようになる。

 アルスノドア。その秘密の甘さに惹かれるように...。

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