Endless Summer All Night アポカリプス
第1回世界の果てと謎の少女
時に2022年夏。世界は温暖化が進み、日本でも40度を超える極的暑さが続いていた。
7月19日(火)
天国口高校は夏休み前、熱中症を避けるため、校庭での運動を禁止していた。
2020年に人類は転機を迎えるといった割に平和は続いていた。暑さがアフリカ並になったが……。
授業を続ける生徒達もあまりの暑さに全員グッタリしていた。
「センセー、暑くて授業が頭に入らない!なんで空調壊れてんの?」
2年A組枝野光輝は思わず訴える。
「確かに先生も頭がぼーっとしてる」数学担当の鹿野千二先生も汗だくの顔をタオルで拭う。
2014年にアナザーワールドに突入した本城ベータも42歳になった。今は映画監督愚蓮京介の下でスタッフとして働いている。
我道幸代とも再会して彼女も24歳になり、美しさには更に磨きがかかったと言えよう。たまに現場に差し入れを持ってきて、スタッフの目が固まるのがわかる。
「本城さんの彼女美人の域を超えてますね?」といつも羨ましそうに言われる。
今はマンションに2人で同棲中である。
我道にも何億か父親の慰謝料が入ったようだが、金に対する執着心のないベータにとってピンとこない話だ。
我道は20歳を越えた頃から個人企業家になったようだ。家に居る時も常にパソコンに座って作業してる。
仕事の内容もよくわからない。お互いが干渉しないことで共同生活が成立していた。
愚蓮京介監督のライフワークと言える”オーバー・ザ・サマー・アポカリプス”の制作も難航していた。制作期間も5年が経過していた。
愚蓮はマネージャーの崎守叶香の不機嫌ぶりを恐れていた。制作が遅れれば、それだけ余計に資金がかかる。経理も任せてるだけに崎守女史の眉間には皺が寄る。
愚蓮の悪友芸能記者の修羅悦郎が崎守女史に気があるようで、崎守がまるで取り合わない事を知っていて、影で含み笑いしてるが、どーでもいー話である。愚蓮も映画の制作の煮詰まりでストレスが溜まっていた。
リアルタイムワールドとアナザーワールドは境界の門があった。
ベータも我道との再会で行き来が出来るようになっていた。門の前に麦わら帽子を被った顔の見えない4歳くらいの女の子が手紙を差し出す。ベータは受け取り中を見るとただ一行
”世界はあなたの出方次第”と印字で刻まれてる。少女の姿は消えていた。
2016(H28)10/30(日)・2019(R1)12/1(日)
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