第17回17歳の不敵な仕草

我道は大人っぽいというより妖しい魅力を持ってる。


多分この子に見つめられたら大抵の若い男はいちころだろう。


大体倍近く歳の違う自分がこれだけ我道の魅力に惹きつけられてるんだから。


意味深なことを言う。


しばらく間を置いてから含み笑いをしてる。


含み笑いも随分クールである。ほんとに17歳なんだろうか?


「まあ勝手にしてくれ」


俺はカルアミルクを半分くらい呷った。


我道はカウンターにお金を置き立ち上がった。


「またね、センセ」


「ああ、こういう所で会いたくないがな」


妙な夜だ。



帰り道多分夜中12時半頃携帯が鳴る。


「もしもし」


「あ、センセ?今マックにいるんだ、来なよ」


渡辺宝子似の岸森だ。


「お前また夜遊びか?先生に対して来なよはないだろ」


「いいから、いいから」


仕方なくマックへ向かう。


岸森はトレードマークの黒縁眼鏡を丸くして雑誌を読んでる。


「ああセンセ、早かったね」


「外にいた」


「ふーん」


「とにかく送るから早く家に帰ろう」


「いいじゃん、もうすぐ夏休みなんだし」


「まだ一週間くらいあるぞ」


「わかった、わかった」


岸森は途中カラオケに行きたいだ、ごねたがどうにか帰還させた。


もう時計は夜中1時を回ってる。


部屋に戻ったら、ろくに着替えもせず、寝込む。


2013(H25)8/31(土)・2018(H30)5/3(木)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る