クズ勇者は異世界を嗤い歩む。
シグマ
異世界召喚
第1話 異世界に召喚される
俺(谷川悠斗)はこのまま死ぬのか?
死因は交通事故だった。
とはいっても学校の帰りにバイクを見つけて、カギが付いてたから盗んで乗ったら、気付いた持ち主に車で追いかけられ、赤信号に気付かずなので自業自得だがな。
それでも俺はまだ中学生だぞ、あんな糞みたいなオッサンに追いかけられて死ぬとか情けねぇな。
くそっ、これで俺の人生は終わりかよ。
金持ちになる。女とヤリまくる。そして有名になる。
その夢のどれもまだ叶えちゃいねぇ。
てかまだ童貞だぞ。こんなとこで死んでたまるか!
しかし、そこで俺は意識を失う。
■■■
目を覚ますと、そこは真っ白な空間だった。
訳もわからず『どこだここは、天国か?』と辺りを見渡すが、どこまでも真っ白で何もない。
『何だよこれ?』と思っていると誰かが話しかけてきた。
「いいね君! 面白い性格してるね!」
頭に直接話しかけられてる感じで気持ち悪い。
「クソッ! なんだよ、どこから話かけてんだよ。てか、いきなり人のこと笑ってんじゃねぇよ! ぶち殺すぞ! 出てこいや!」
「いやーごめんごめん。怒らせるつもりは無かったんだよ? でも姿は有るけど無いから、出てはいけないかな」
どういうことだ、全く理解できん。
「だから、誰なんだよお前は?」
「凄いね君。ほんと怯まないね。僕は一応、神様をやってるよ!」
神? 何言ってんだ? 頭おかしいんじゃないのか?
でも状況が状況だ、俺は確かに死んだはず。なら神様に会っていてもおかしくはないのか。
「その神様が俺になんか用なのか? それとも神様が天国に連れていってくれんのかよ?」
「ほんと君、そこまでいくとむしろ清々しいね! 天国に導けるならそうしてあげたいけど、君の行いでは無理かな? あっあ、ごめんごめん。そんな顔しないで、まだ話には続きがあるから」
ということで自称神様がいろいろ話をしてきた。
■■■
「つまり俺を異世界に召喚させて、しかも魔王を倒せば元の世界に戻れるんだな?」
「うん、そういうことだね。元の世界に戻らなくてもいいけどね!」
マジかよ。これ異世界召喚ってヤツなのかよ。
マンガとかでよくあるやつじゃん。
ということはあれか、俺tueeeとか出来るわけか。
でもその為には神の加護とか特別な武器が欲しいよな。
「おい神様! それで平和な日本から、危険な異世界に行くんだから、何か俺にくれんだろ?」
「ほんと凄いね君。いやむしろ気に入ったよ。もちろん聖剣とユニークスキルというのをあげるよ!」
そうだよな、流石に生身でそのまま異世界に放り込んでもたぶん死ぬしな。それぐらいの配慮は俺じゃなくてもしてくれるだろう。
「気に入ったなら、ついでにユニークスキルを良いものにしろよな!」
「はっは! やっぱり君は面白いよ! よし。本当はランダムだけど攻撃系のスキルに限定してあげるよ!」
ふん、まぁそんなものか。後は俺の隠れた才能が目を覚ますとかだな。
■■■
こうして俺は神に導かれて異世界に召喚されることになった。
ヨッシャー、異世界だぞ異世界。
しかも勇者ってあれだろ? ドラ◯エやゼ○ダみたいに、何を壊しても怒られないってやつ。
マジで楽しみだ。
そう思いながら再び意識が遠ざかっていった。
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