命の輝きは、雨の日に

新人侍

第1話害虫

「先生......ごめん」

「約束守れそうにないよ」

僕は、何故生まれたんだろう、世界に何も残さない、親に迷惑をかけ、先生に迷惑をかけ、そして友達にも迷惑をかけた。

ただの害虫。

これ以上何の目的もなく生きたくない

「ごめん」

もう一度先生に謝り足を前に出そうとする。

「ちょっと待ってもらっていいかな?」

声がした方を向くとそこには、女の人がいた。

「何ですか?」

思っていたより若かった。

同じ年ぐらいかな?

「君、何しようとしてたのかな?」

「空を見てたんだよ」

少し焦った、何でこんなとこに人がいんだよ。

「ここ一応立ち入り禁止なんだよね、立ち入り禁止で見る空って楽しいの?」

「君こそ、何でここにいるの?」

普通に気になった。

何で、女子が一人でこんな自殺スポットに来てるんだろう。

「ん~~っとさ、ここ私の秘密の場所なんだ」

「こんな自殺スポットがですか」

やばいつい口がすべった

「やっぱり知ってたんだ~、ここが自殺スポットだって」

「それを聞いてもう一度聞いていいかな?」

「ここで君は何をしてたんだい?」

なんか彼女の声を聞いてるとあの人の事が何故か頭に出てきて彼女になら本当のことを言ってもいい気がしてきて

「僕、ここで死のうとしてたんだよ」

「やっぱりそうなんだ」

そう言った彼女は、少し寂しそうだった。それから少し間をおいて彼女は言った。

「だったら、君のすべてを私にくれないかな?」

そう言った彼女は、僕には何故かとても輝いて見えた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る