第7話 失敗(1話完結)

 やばいなこれかなりヤバい状態やん。俺の人生で一番ヤバいかも。って人生もう終わってるんや。


 普通死んだ瞬間に体から魂って離れるやんか。でもなんか引っ掛かって魂抜けてないやん。


 みんな死に顔覗いてくれるけどさ、普通は上からその光景見るんやろうけど俺みんなと完璧に目が合ってるからね。


 葬式で坊さん気付いてくれるかと期待したけど、全然気付かへんあのハゲ。何やったらお経よみながら全く違うこと考えてたからなアイツ。

「明日ミヤちゃんと同伴しようかな」って。知らん!そんなもん。

 ミヤちゃんて誰やねん。ピンクの電話かっ!


 あーほんまヤバいって。もうここは最後のお別れのところやん。火葬場やん。

 昔から霊能力あると吹いてた親戚のおっちゃん、

「もう肉体から離れて上の世界に逝ってるよ」とめっちゃわかった顔して両親を諭してるやん。


 こいつ全然わかってないやん。まだここおるっちゅうねん。


 これが最後の挨拶って。職員さんほんまちょっと待って。あーめっちゃ泣いてる母親と完璧に目が合ってる。気付いてくれー!って全然無理やー!!


 あー!オワタ。

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