羨望と希求

さびしい時に、さびしいと言える、

そんな愚かさが欲しかった。


夜寝る前の、寝たほうが良いのに携帯を手放せない寂しさと、それなのに助けを求めることもできない弱さとを抱いて私の夜は過ぎるけれど、かわいいあの子ならきっとすぐに誰かに電波を飛ばすのだろう。

私ではない誰かに。


次第に動かなくなる画面を、それでも閉じることができず、ブルーライトだけが私に温かみを誤認させる。ひとりであるのにひとりでないような、そんな優しい嘘に包まれて。今日も夜は更けていく。

あの子の飛ばす電波がせめて私に届けば私は弱さを見せずに弱さを忘れられたのに。

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