甘い星を沢山

カゲトモ

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「ん?」

 午後一五時三十分。ノックが聞こえたので返事をしつつ時計を見ると、まだそんな時間だった。まだ開店時間じゃないけど、誰が一体どんな用? セールスだったらお断りですけど?さっき買い出しから戻ってきてまだ荷物も片付けられてないってのに。

「はい、どちら様」

「やっほー」

 一応にこやかな顔をして出たと言うのに、そのテンションについ呆れた表情が出てしまった。そこに立っていたのは笑顔の真理亜だったから。

「まだ開店前なんだけど」

「それは分かってるんだけどねー」

 分かってんのかいっ。

「そうちゃんが店に入って行くのが見えたからさ」

「そ。まぁいいや・・・ちょっと寄ってく?」

「え、いいの?」

 そのつもりで来たんじゃないの。良いよ別に幼馴染ってやつだし。

「ちょうど良かったー、外暑くて死にそうだったのだよね」

「今日夏日だって言ってたもんな。アイスコーヒーでいい?」

「え、淹れてくれるの?」

「ついでだから」

 もともと作っておいたやつだし。俺も飲みたいし。出勤してくれる斉藤君用だったけど、多めに作っておいて正解。この間勧められて買った水出しコーヒー、はてさて、どんなお味かな?

「っぷふぁぁ~、生き返るぅ」

「そりゃよかった」

 コーヒーは利尿作用があるから水分補給にはならないんだけどな。でも暑いときのアイスコーヒーって美味いんだよなぁ。ビールと一緒か。

「あ、美味い」

「でしょ! って私が淹れたわけじゃないけど」

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