そこにいて、じっとしてて。

こんなところにいたのかい?

見つからないはずだ。

真っ暗だもの。

こわがらないで

なにもしないよ。

手に持っているのは灯りのためのライトだけ。

他にはなにも持ってない。


太陽は沈んだし、月も出てこない。星だけがまばゆく輝いているだけさ。

たったそれだけ、たったそれだけ。

君の姿形は知らないけれど、そこにいることだけは知ってるよ。

そこにいて、じっとしてて。

今からそこまで潜るから。

ここからそこまで深いかな。

息が足りなくなるのがこわいけど、できるだけはやく潜ってみるよ。


水は冷たく、星は遠い。

深い夜の色が、光だけを包む。

君のところに届くように。

たったそれだけ、たったそれだけ。


ああ、指先に体温。

こんなところにいたのかい?

見つからないはずだ。

真っ暗だもの。

こわがらないで。

なにもしないよ。

灯りのライトも落としてしまった。

他にはなにも持ってない。

君のことを抱き締めただけさ。

そこにいて、じっとしてて。

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