「一ノ瀬のお香」

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第1話 一ノ瀬志希のお香

これは私、雪菜が大分からひいおばあちゃんが亡くなった時に姉弟で新幹線で岩手県の一関へ向かった時の事です。


 一関は宮城県と岩手県の境目にあり、ひいおばあちゃんは亡くなるまで一ノ瀬のメロンというものを作っていました。

 私は全くそのものについて知らなくて、弟の総司は詳しくて一関を代表する特産だと知っていて、その弟の円司はよくわかんないとか言って、一番下の妹の司希は新幹線の中でトコトコと四歳ながら片言に言葉をしゃべり、高校一年の長女の私ですら困らせていました。しかも猫の五郎もいっしょなので尚更でした。


 大分から仙台へ着いてからは一関へ向かう仙石線を乗りついで一関へ着き、へとへとでしたたが、先回りしていた父が車で待っていてくれました。

お父さん「雪菜お帰り。」

雪菜「ただいま」

総司・円司「お父さん、ただいま。」

円司「この車、なんてーの?」

司希「ちゃー」

お父さん「おじいちゃんの部下が手配してくくれた車だからよくはわかんないよ。」

 車は走りだし、そのノートeパワーなる車はゆっくりと一関の街中を通ります。

父は折角だからと一関高専と呼ばれる名門高校、今は亡き一関経理学校、駅前の雀荘、カードショップパワーナインなどを通りながら、一関の石川の実家に行きました。

石川の実家に着くとペットで家族の五郎がそわそわし始め、五郎の世話をというか、五郎は年だったのであまり動けなかったのですが、司希の膝の上でゴロゴロと声を出していました。

 父や弟達は気づかずに実家に入って行って布団の準備だのしていると明日のひいおばあちゃんの葬儀の準備をしていると、司希が「ちょっと五郎のあと、追ってくー」と言って駆けていくと家の裏に昔の蔵があって、蔵からは甘いメロンだけれども、心ときめく良いにおいがしました。

 そして司希が「雪菜ねー、こっち」というと五郎は蔵の戸をカリカリとかいていて、私は五郎の割には珍しいと思い、錠のかかっていない戸を開けると野良猫がいっせいに十二匹は出て行って、その良いにおいの正体は一ノ瀬のメロンのくさったものと猫のフンが混じったものとわかりました。司希は「いいにおーい」とくさったメロンを触っていましたが、私はあきれたところに、それを見に来た円司と父の妹のリエおばちゃんがいました。

 するとリエおばちゃんが「ちょっと、気になるものあるけど何してんの?」と面白がりながら声を掛け、少量、手をとり猫のフンとメロンが混じったもののにおいをかぎ、「これってお香じゃないの?」「ええっ~、スゴっ」と声を出し「ママちゃん(おばあちゃん)に報告しなきゃ」と言い、「ちょっと寒くなるけど、ここで待ってて雪菜たち。」と声を掛け十分もすると戻ってきて、ゴム手袋にビニール袋を持ち、そのフンとメロンのかたまりを袋に詰めました。

 司希は頬に手を当て「キャッキャキャッキャ」と声を上げ、円司は「なんでこんなことするの~?」とマスクをされられ、リエおばちゃんに声を掛けます。

 するとリエおばちゃんは「何って、勤め先があの花王だから、猫の年いった五郎が落ち着いて、しかも良い匂いなのよ。サンプルを大量にとっておかないといけないじゃない?」となり、おばちゃんの言う、お香を集めました。

 石川の実家は一関の山のふもとの中にあり、その翌日の夜に葬儀の喪主のおじいちゃんの妻、要はおばあちゃん(お父さんの母)がいて、それと売店のおばちゃんと言う、石川のひいおばあちゃんといっしょにメロンを亡くなるまで取ってくれて蔵につめてくれたおじさんとおばちゃん、ひいおばあちゃんを良く思ってくれた流通会社、運送会社の社長さん達と、リエおばちゃんはその一部の人で電子タバコを吸いながら雑談をしていて、私、雪菜はスゴイなぁと思いながら二日目の夜は葬儀会社が準備した会場で泊まっていました。

 そしてリエおばちゃんが採取したお香の効果が岩手大学から電話が来て、すごい代物だと分かりました。

 岩手大学は二十数年前に猫のフンからフェロモンの分別発見した権威ある大学で、そこでお香をちょっとブレンドしただけのものが、女性男性問わずに効くフェロモンと、それに加えて鎮痛作用、意識障害の回復などの効果があり、止まっていた部屋にリエおばちゃんはスピーカー機能でスマホを聞く人だったので、効果が、私、リエおばちゃん、司希、売店のおばちゃんに丸聞こえで、岩手大学理工学部から、とりあえず名前をどうしましょうかと聞かれ、丁度、風呂に入っていた父が上がって来て「司希がみつけたんだろ。でメロンのブランド名が一ノ瀬だから「一ノ瀬司希のお香」だと直接過ぎるから」とシャツを着て「そういや司希ってアイドルマスターのキャラから司希が女の子でも男の子でもいいように名付けたのよね。司は俺の漢字だから、もとにもどして『一ノ瀬志希のお香』でいいんじゃない?一関産だし。」と声で岩手大学の先生に話すと、その岩手大学の女性研究者も父より声が少し年下のような感じだったけど、アイドルマスターシンデレラガールズのスマホゲームをプレイしていたことかあったらしく、納得して名前を「一ノ瀬志希のお香」となりました。

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