太陽のオトシゴ

南多 鏡

第一章 バースデーエッグ

タマゴ/0

 2XXX年。時代は大きく進歩した。情報というものはいとも容易く入手しやすくなり、〝学習〟というものは数が多くなりすぎた。


 所得や環境に応じて広がる教育格差。


 それを無くすため、国家は新たな教育を追加した。


〝バースデーエッグプログラム〟


 最低限の基礎は学校で学び、学生個々に配布される特殊AIが個人の学習を行う。AIは学生の友となり、家族となり、教師となり、導き手となる。


 数億に数兆にも及ぶデータの中から最高の相性となるAIを作り出す。一つとして同じAIは存在せず、一つとして同じ〝性格〟を持たない。


 AIを超えた、AI。人間の感情すら再現させた世界最高の教育AI。


 しかしそのAIを得るために払われた代償は、少年少女の尊き思い出だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る