PHOPKANMAI
オノマトペとぺ
第1話
これはある種の備忘録だ。
僕の知らない誰かが覗き見ることのできる、そんな備忘録だ。
ここに書きためることは、正直なところ、忘れてしまっても全く問題はないことばかり。忘れるのを防がなくてはいけない理由などない。そういったことを鑑みれば、これは備忘録というよりも定期的に更新されることのない日記のようなものだ。
でも僕は日記をつけるのを好まないし、つける意味も特にないと思っている類の人間である。そして定期的な書き込みのない日記を、日記とするのもどこか変な話だと思う。
だから僕はこれを備忘録と呼ぶことにする。おそらく僕が見返すことなどほとんどないであろうが、とりあえずそういうことにする。
先ほども述べたが、これは誰でも見ることのできる備忘録だ。
僕が改めて目にする可能性よりも、他者が見る可能性の方が格段に高い。
仮に未来の僕がこれを目にしたとしても、その僕は今の僕ではないので、もはや他者といっても良い気がする。だからまぁ、結局のところこの備忘録は僕以外の誰かのために生まれたわけだ。
それでも僕はここに、今の自分が残しておく気になったコトバを置いていく。
見るのは自分以外の誰かであっても、今の僕が望むものを置いていく。
僕以外の人が見たら、さっぱり面白くないものであったとしても、全然問題などないのだ。
だってこれは備忘録なのだ。ただの備忘録なのだ。
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