第468話開拓方法


アインは、立候補者たちと一緒に、大陸の海岸まで来た。


「しかし、これは入りずらいな。」


大陸の海岸は、少しだけ盛り上がっていて、船を止められそうにはなかった。


「アイン様、我々に任せてください。」


アインに対してそういうのは、今回の入植計画での武力班のリーダーだった。


「どうにかなるのか?」


正直、アインは自分でも、どうにかなるものだが、こういう時はできるだけ部下に任せて、早めに独立できるようにしているのだ。


「ええ、少しだけ待っていてください。」


すると、船の中から何人かの魔術師が出てきて、海岸に向かって魔法を撃ち始めた。


すると、さっきまで岩で少しだけ上がっていた土地は、すべて砂に代わってしまった。


つまり、ビーチができたのだ。


「よし、これで入れるな。」


今回の入植者の中では武装集団に関しては、近接系の兵より圧倒的に魔術師が多かった。


これは、魔術師の力があれば、簡単に建物などを建てられるからだ。


しかし、それでも戦いになるときには、前衛が必要なので、魔術師に対しては少しだが、しっかりと、近接系の兵もつれてきてある。


「よし、それでは私は本国のほうに戻って、必要なものの準備をできるようにする。何か必要なものがあったら、すぐに連絡をくれ。」


そういって、アインはその場を離れた。


しかし、実際には姿を消して、空中にいるだけなので、何かしらの問題が起こった場合は、すぐに対処できるようになっていた。


「さて、皆様、今回の入植に関しては、たまたま原住民がいませんでしたが、それでもおそらくこれから先、この大陸を調べていけば多くの原住民がいるでしょう。

それに、もしかすると国家があるかもしれません。

その時にアイン様に、この土地をささげられるようにするために、全力でここを開拓していきましょう。」


アイン様のために。


これは、この国では名誉あることだ。


それに、この入植計画に関しては、アイン本人からの依頼でやっていること、教会の壊滅によって、宗教がない彼らにとっては、アインこそが信仰の対象なのだ。


「まずは、我々が暮らすために家を建てましょう。」


幸いにも、この土地に関しては全然開拓が行き届いていないので、周りには大量の木材がある。


それを切って組み立てていけば、家はできるだろう。


木を切る方法。魔法

組み立てる方法。魔法


今のところはほとんどのことを魔法で行っている。


それでは、一般人が必要なのかという問題もあるが、もちろん必要である。


基本的に、魔術師に関しては新しい土地の開拓をメインでやっていく。


その場合、すでに開拓している土地はどうするのかというと、そこで帝国のほうから連れてきている農家などを使って、維持、拡張をしていくのだ。


つまり、魔法に関しては、最初のブースト役であって、すべてを魔法で解決するわけにもいかないということだ。


「とりあえず、今は大きな宿を建てましょう。」


今回の入植に関しては、1人の人が指揮を執ることになっている。


そして、その人曰く、今日1日で1人1人に家を作っているような時間はないので、最初は大きな宿を作ることにしたのだった。

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