第447話脱獄
進軍スピードの低下によって、さらにバルバロット帝国兵からの攻撃を食らいやすくなった。
その結果、彼らの進軍スピードは遅くなっていった。
その遅さは、ほとんどもう、前に進んでいないといっていいレベルで、若干のこの戦争から逃げ出したい兵によって、交代すら始まっていた。
「ええい!どこに行くのだ。
我々を守らんか!」
そう言っている貴族もいたけど、そんなの関係なしに、アインたちは攻撃をして、兵たちは逃げるようになった。
これによって、貴族たちも死ぬかと思っていたが、貴族は誰一人死なない。
そんな様子を見て、兵たちは、実は貴族と王国兵は裏でつながっているんじゃないのか?と思った。
実際には、そんなことはなく、そもそも、その話が本当だったら、貴族の兵とは戦わずに中に招き入れてしまえばいい。
しかし、それをやっていないのだから、やはり王国兵と貴族は対立をしているのだ。
「進むのだ!我々の未来のために!」
男爵が、馬車の中から、そんなことを言っているが、これは、過去の英雄のセリフだ。
しかし、この国では、戦の時に味方の士気を上げるためによく使われていた。
ただし、これを言うのは基本的に隊長とかである。
それは、そのほうが説得力があるからだ。
しかし、そんなことを知らない、この男爵は自分のセリフで、軍全体の士気が上がったと思った。
(はぁ、戦ってもいない奴が何を言っているんだよ。)
これが兵たちの本音だった。
そして、こんな奴らに従って、攻め続けたら、死んでしまうのでは?
そう思った兵たちがだんだんと逃げ始めた。
しかし、1人で逃げるのではなく、隊ごと逃げ始めたのだ。
これによって戦線は崩壊。
そして、しっかりとバルバロット帝国兵が逃げた人たちも追いかけたので、逃げ切れるものはいなかった。
しかし、これでも時間はかかっている。
帝国と王国の兵たちにも疲れが見え始めたので、そろそろ休んでおきたい。
(休み時かな?)
アインはそう思い、王国のほうの連中とも話をつけ、いったん休むことにした。
そんなことをして、敵に逃げられないのかという心配もあるが、アインが王都から見て反乱軍よりさらに外側にパーフェクトウォールを張ったので、逃げられる心配はなかった。
そして、ここでいったんの休戦のような状況に入った。
安心して、彼らが王城に帰ると、さらなる事件が起こった。
それは、監獄からの脱獄である。
逃げ出したものに、意識はなく、しかし、高い攻撃性と、高い身体能力を持っているとされた。
(なんでこんな、兵が動いているときに脱獄なんかするんだ?)
その理由は簡単だった、多くの人間がいるのなら、その分自身の剣が強化できる。
それに、王国兵くらいだったら、なぎ倒す自信があったからだ。
そして、その男は、まっすぐ、王室へと向かっていた。
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