第436話大国の闇


それでも、一度決めたからには、やらなくてはならない。


「それに、この件に関しては、私の味方をしてくれるものも多いだろう。」


実際、アインとリリスの結婚を好んでいない貴族は多くいる。


それは、アインのことを知らないものや、今回の結婚に関して、急に結婚をするということで、国のほうで何かしらの問題が起きていて、それを隠蔽するためのものではないかと言う考えを持っている人からは、今回の結婚は好まれていないのだ。


実際に、本人たちの不祥事によって、結婚が早まっているのだが、他のものに関しては、国の運営にかかわるような不祥事が起きてしまったと考えているものの方が多い。


「そのものたちにも協力を要請しよう。」


アインによって、挨拶が行われているが、それでも、そのときには祝ってくれても、納得していない人だっている。


そんなものたちにお願いをすればいけるのではないかと思っているのだ。


しかし、それは半分成功するし、半分成功しないだろう。


その理由は、確かに反対の人間によって、アインの結婚を取り消そうとする動きは発生するだろう。


しかし、その後はどうなるのか?


誰もが王位継承権というものは欲しい。


それに、王に離れなくても、王族になれるだけでもそれは大出世と言えるだろう。


そして、今回のアインの結婚が取り消しになれば、リリスの結婚相手はいなくなることになる。


そうなったらどうなるのか。


それは、協力してきた人たちが一気に敵になるだろう。


今度は、どれくらいリリスに好まれるかの勝負になる。



だからこそ、この男の作戦は、アインを協力して結婚させないようにすると言うところまでは、実現するかもしれないが、その後の自分の息子を結婚相手にするという理想がかなう可能性はとても少ない。


それに、アインがこの件を知ったときに何もしない訳が無い。


「さて、そのためには、今回の結婚に反対している者を探さなくてはいけないのだが…」


「さすがに私はアイン王の情報を言えるだけで、貴族とのコネクトは無いですよ?」


「それに関しては、私のほうがある。

私は多くの貴族と1回は取引をしている。

だから、その中には、今回の結婚に反対のものもいるだろう。」


「いるでしょうが、協力してくれるでしょうか?私がさっき言ったとおり、相手は大国の王ですよ?」


「そうだな。しかし、そんな大国の王ならば、何かしらの闇があるだろう。

それを協力して探し出せば良いのだ!」


実際、大国の王というのは何かしらの闇を抱えていることが多い。


それは、アインも例外でなく、2つ目の大陸の元王国の下で、人造人間の製造を作ると言うような計画をしているので、ある意味、どの国よりも大きい闇を抱えていることになる。


しかし、その情報を手に入れるすべは無い。


その実験に関しては、地下で行われているし、それに、最近他の大陸に行く術を見つけたばかりの人間が、他の大陸の内陸部の地下にあるそんな場所を見つけることは出来ないだろう。


「それを見つけられるかが鍵だ。

そのためには、彼の国に行かなくては…」


そんな事を知らない彼は、仲間を見つけるとともに、アインの国に行く決意を決めたのだった。


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