第411話市民の反抗
そして、領主が兵の言うことをまったく信じていなかった頃…
「皆…今回の映像は見たか?」
「ああ、正直、うちの領主がここまでやる奴だと思っていなかった…」
「この国の王様によって、貴族にしてもらったって言うのに、まさか、その王族に反乱しようとしているなんて…」
「正直、そんなに簡単に人のことを裏切れる人に、ついていったら、俺らもいつ裏切られるか分からないよな。」
「ああ、ここは結構良い環境だと思っていたんだが、あんな人が統治しているとは思っていなかった。」
「それじゃあ、皆意見は一緒だな?」
「ああ!」
ここには、この街のいろんな人が集まっていた。
ここの当主がなかなか動かないことを見て、領民たちは、当主がなかなか動かないような人だと確認したんだ。
そして、行動力のある人が、この領地から抜け出すことに協力してくれる人を探し出したのだ。
もちろん、あんな映像を多くの人が見ていたのだ。そういう考えを持つ人は多く、簡単に人は集まって行った。
「さて、それじゃあ、動き出すか…」
今、ここに集まっているメンバーの役職をいくつか紹介しよう。
まず、あの映像を見て、当主についていけないと思った、この領の兵士。
そして、この街で行動をしていた冒険者。
この街で行動をしていたが、そこまでこの土地にこだわりがない商人。
他にも、一般市民や、従者など、多くの人がこの集まりに集まってくれた。
「よし、それじゃあ、ここから出て行く際に、出口を封鎖されてしまっては困る。
しかし、よっぽどのことがない限り、出入り口をふさぐようなことはない。」
この街に詳しい、兵が識者となって作戦を立てていった。
「今から、今、いろんな人が出て行こうとしたら、簡単に出入り口を封鎖されてしまうだろうし、それに、準備が早くできた人がだんだん抜けて行っても、閉められてしまうだろう。
だからこそ、今回に関しては、兵が止められないような数の人が一斉に出て行こうとする。
こうすれば、なかなか門を閉じられなく、しょうがなく私たちを逃がしてくれるだろう。」
元々、今回の作戦に参加していないような人は、結構少ない。
市民はしょうがないとしても、商人のほとんどはこの街から出て行くことになっている。
そして、商人でこの街に残るような人の多くはこの街の領主に多額の税を払って、若干ひいきにしてもらっている商人だ。
彼らにとっては、せっかく多額の税を払ったのだから、いまさらこの街から出て行けるかという気持ちでいるのだろう。
「それじゃあ、今から各自、何時くらいに仕度が終わるかを聞きたい。
そして、一番遅そうな人に合わせる。」
しかし、大商人でもないので、そんなに多くの荷物を持っているわけでもないので、意外と皆早く私宅が終わることになった。
「そうか…それでは、今から3時間後、東門に集まってくれ。
私が担当となっているので、他の門に比べれば簡単に抜け出せるだろう。
皆、目立たないように東門へ来てくれ。
それでは解散!」
こうして、市民の中でも行動を起こしていく者たちが出てくるのだった。
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