第410話領内放送


アインが向かった施設とは、通信施設だった。


「アイン様、おかえりが早かったですね。」


「ああ、ちょっとやらなきゃ行けないものがあるしね。」


アインが帰ってきたことを察知して、エリがやってきた。


ちなみに、この施設は地下にあるので、アインの城のセンサーに引っかからないのだ。


「そうですか…それにしても、この機械を使ってなにをやるのですか?特に報告しなくては行けないことなんかないと思うのですが…」


「それは、前までの話でしょ?

最近この国の兵を使って、あることをしたじゃん。」


「確かにやりましたね。」


アインが言っている、やったこととは、この国の映像を他国に流すための装置の設置だった。


この装置を使えば、今アインの目の前にある機械に流す映像が、その装置の上空に向かって流されるのだ。


そして、アインは今、あの貴族の失態を全て写した映像を持っている。


だからこそ、アインはこの映像を利用しようと思ったのだ。


「アイン様、それで映像は?」


「ああ、それはここにある。」


そしてアインは、自分の持っている映像を機械の中に流した。


「よし、これでもいつでも流せるな。」


「それで、どの広さで流すのですか?」


流石に、国の全てに流すわけにもいかないので、アインは、どの範囲に流すかを決めなくてはならないのだ。


「どれくらい必要かな?」


「少なくとも、その貴族の領内と王都には必要でしょう。」


まず、その領内で、流すことによって、その貴族の信用を落とす。


そして、王都に流すことによって、一番人が集中している都市の人の信用を落とし、そして、王都にいる貴族にもアピールができるのだった。


だからこそ、必要最低限流さないといけないのは、この2都なのだ。


「一応、この2都以外にも流しておきますか?」


「そうだね。

もしも、今回のことで、この領内から逃げ出した人がいたとして、他の都市にこのことが知られていなければ、簡単には受け入れてもらえないだろうしね。」


そういうことで、今回はその領地の周りの領にも放送をすることにした。


「よし、それじゃあ、流そうか。」


そしてアインはお昼の時間の後になり、人が一番外になるような時間になってから、映像を流し始めた。


「さて、どうなるか…」








一方、あの貴族の領内では…


「た、大変です!」


「何なんだ。騒々しいな。」


「領内のいたるところの空中になぞの映像が発生!

領民は皆。それを見て、驚いています。」


「空中に映像だと?そんなもん出来る訳ないじゃないか。」


この貴族は、そんな技術がないと言い切って、その話を信じなかったのである。


「せ、攻めて外に出てもらえれば…」


「私は忙しいのだ!朝から私をいらいらさせてくるやからもいたのだから、今日の私は機嫌が悪いのだ!

それ以上言うなら、首にするぞ!」


こういって、まったく兵の話を信じなかったのである。

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