第397話アインに効く状態異常


結局、2人の期待に答えられるようなアプリを探していたら、夜の中でも、結構遅い時間になっていた。


「もうこんな時間だ…そろそろ寝よう。」


アインがそう2人に言うと、その2人は。


「分かったわ。」


「うん。」


といって、うなずいてくれた。


しかし、どうにも挙動がおかしく感じた。


それでも、アインはそれを聞くことなく、2人を部屋まで送った。


2人の部屋は近くにあり、アインの部屋から、2部屋はさんだところにある。


「それじゃあ、また明日お越しに行くから、待っててね。」


こういって、アインは部屋の中に入って行ったのだった。


そして、アインが部屋に入って、しばらくすると、部屋の外で動き出す2つの反応を察知した。


(やっぱり何かしようと思っていたのか…)


アインはそう思ったが、それでも行動には出ないで、監視を続けるつもりだった。


すると、その2つの反応が一旦、出会った。


そして、しばらく何かを話し合ったかのように思えたが、その後その2つの反応が、また動き始めた。


その2つの反応が向かっている先には…


(俺の部屋?)


そう、アインの部屋があった。


その2つの反応については、大体の察しはついている。


そして、アインはその2人は城の誰かに相談をして、自室の護衛をしてもらうのだと思っていた。


なぜなら、彼女ら公爵令嬢ともなると、家では常に従者が1人は付いていて、そして、寝るときにが一番危険なので、交代制で1人は護衛がいるのだった。


アインはこの城の安全性を知っているので、そのような護衛をつける必要はないと思っていた。


それでも、部屋からあの2人が出てきたときには、やっぱり着いていないと、心的緊張があるのか…と思っていた。


アインがこんなことを考えている間にも、どんどん、2人はアインのいる部屋に近づいてきていた。


そして、とうとう、アインの部屋の扉が開いた。


(さて、最初は何も言わなくて良いか。)


アインはそんな事を考えていた。


なぜなら、最初から動いてしまえば、彼女たちの狙いが分からなくなってしまうからだ。


だからこそ、アインは最初は何もしなかった。


すると、2人は空間魔法からとあるものを取り出した。


しかし、アインにはそのものが何か分からなかった。


なぜなら、アインは今、目を閉じているので、さすがに、目を閉じた状態で、物を判断することは出来なかった。


しかし、体には変化が出始めた。


(何だこれは?眠くなってきた…)


いきなり、眠くなってきたのだった。


アインの体は、神の体なので、攻撃魔法や状態魔法は全て防ぎ、自身に良い効果をもたらす魔法だけさえぎらないようになっている。


そのアインが、何かによって眠くなってきているのだ。


この正体は、最近、王都で有名になってきている、リラックス効果のある、お香だった。


これは、嗅ぐことによって、リラックスでき、そしてリラックスしたことによって眠気が出てくるというものだ。


本来はこれは安眠用なのだが、2人は明らかに用途が違った。


そして、さすがにそろそろまずいと思ったところで、アインは意識を手放してしまったのだった。


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