第398話受け入れたくない事実

「ハッ!」


アインが起きたときには、朝になっていた。


「ここは…ベッド?」


アインが寝ていた場所はベッドの上だった。


「昨日は…」


アインが昨日の事を思い出そうとすると、2人に眠らされたところで記憶が止まっていた。


「何があったんだ。」


アインには分からないが、とりあえず、昨日はベッドの上で寝たはずだから、動かされてはいないことだけは分かった。


(しかし、特に俺を動かす目的も無く、眠らせるとは…)


アインは確認のために、自分の部屋の中の気配を探したが、自分以外にはいないことが確認できた。


(本当に何がしたかったんだろう。)


一応、念のために他の2人の部屋も探ったが、しっかりと2人は自分のベッドの上で寝ていた。


(う~ん。なぞが深まるばかりだな…)


しかし、いつまでたっても何をしたかったのか分からなかったので、起き上がって、ドアの前で自室を傍観していると、1つの異変に気がついた。


(ん?う~ん。なんか違和感があるんだよな。)


それはベッドの付近だった。


何が変わったのかは分からなかったが、それでも代わったことだけは分かった。


(何が変わったんだ?)


そこで、アインは即席で魔法を作った。


この魔法は、物に対して使うことが出来る。


この魔法の効果は、使った物の使用している年が分かるものだった。


そして、アインはこの魔法を部屋全体に使った。


(やっぱりか…)


アインが思ったとおり、ベットのとある部分が新品になっていた。


(シーツか…嫌な予感しかしない。)


代わっていたのはシーツ。


これだけで決め付けるのはだめだが、セシリア親子の会話を聞いてしまったため、不安にはなってしまう。


(う~ん。)


そして、アインは一旦、元々会ったシーツがどこに行ったのかを探すことにした。


(まぁ、最初に探すべきは焼却炉だよな。)


焼却炉に捨ててしまえば、基本的に証拠はまったく残らない。


しかし、アインが修復ではなく、時間逆行系の魔法を使ってしまえば、捨てる直前の状態でよみがえらせることが出来る。


そう思ったアインは早速焼却炉に向かった。


すると、まるで偽装していますよといわんばかりの大量の灰があった。


(なるほどね。これなら確かに探し出すことなんて無理だね。

普通なら。)


アインは一瞬で全てのものを復活させ、一瞬で消した。


そして、その消す魔法の中に布を燃やさないようにする効果も付け足しておいた。


すると…


「やっぱり出てきたか…」


そこには、普通に捨てられた布の中に、1つのシーツが入っていた。


「可能性としては、このことを見越して工作をした可能性も歩けど、これは…」


そのシーツには、赤い痕が出来ていたのだった。


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