第392話お怒りよ


最後に、シルクの所へと向かった。


(はぁ~。さっきのを聞いた後だと、不安だな…)


そんな思いもあったが、止まってもいられないので、アインはさっさと向かった。


すると、すでに玄関の前で待っていた。


「あれ?外で待っていて大丈夫なの?」


「ええ、大丈夫よ。それに、お父様のほうにはすでに言ってあるから。」


シルクに関しては、前もって準備をしておいて、すぐに出られるようにして待っていてくれていたようだ。


「そうなんだ。それじゃあいこうか。」


「うん!」


アインはその返事に何か違和感を感じたが、誰かが化けていたりしていないことは魔法ですでに、調べてあるので、大丈夫だった。


そして、4人はアインの城の前に着いた。


「あれ?中には入らないの?」


「うん。一応、この城って魔法を使って入ろうとすると、警備システムが作動するようになっているから、出来るだけ転移では入らないようにしているんだ。

まぁ、緊急時は普通に魔法で入るんだけど。」


それでも、アインが着いた場所は、城の裏口であり、一直線に玉座のままで迎えるようにしてあるのだった。


だから、全然時間がかからずに、玉座の間に着いた。


この玉座の間からは、どの部屋へも、出来るだけ時間がかからないように、城が作られているので、最初に食堂へと向かった。


「皆、ご飯って食べてきた?」


「うん」「「ううん。」」


リリスだけが食べてきていたという結果になってしまった。


「う~ん。リリス。デザートだけなら食べられる?」


「大丈夫よ。それにそこまでたくさん食べてきてはいないから。」


「まぁ、デザートを用意させるね。他2人も食べていってよ。」


「ありがとう。ここのご飯がおいしい事は知っているからね。」


2人に関しては、元々アインのところで食べるつもりだったらしい。


食事もとり、何もすることがなくなったので、とうとう、本題に入ることにした。


「それじゃあ、そろそろ今日、呼んだわけを行って良い?」


「良いも何も、言ってくれれば、聞くよ。」


そういわれたので、アインは心置きなく言うことができた。


「2年くらい前に言ったことなんだけど、僕が旅を始めた理由って、婚約者を増やすことだったじゃん?」


「そうだね。それがどうしたの?」


「実際に、婚約者候補が出来たんだけど、最後に確認しておこうと思ってね。

婚約者を増やして大丈夫ですか?」


「アイン君。何人いるの?」


セシリアがそう聞いてきた。


「え?3人だけど…」


「アイン君。元々、婚約者に関しては私たちのほうから願ったことなので、それはかまいません。

しかし、3人ですか…私は5人は作ってきてくださいとお願いしたのですが…」


セシリアが気に入らなかったのは、作ったことではなく、人数だった。


「少なくとも、アイン君が相談する時点で、その方たちが信用するに値することは分かっています。

しかし、3人とは何ですか…こんなに時間をかけたのに。」


正直、アインが婚約者を探すのに使った時間はとても少なかった。


自分の得意な、戦争のほうを重視してしまったからである。


「アイン君には、もう少し旅を続行してもらいますね。」


こうして、アインの旅続行が決まったのだった。


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