第379話隠された価値


私の名はフラウディー。


しがない一般人だった。


そう、【だった。】


私は、例のテストにて、私が成績優秀者の中に入ったそうで、そのおかげで、貴族となることが出来た。


それはうれしいことであり、幸せでもあるのだが、1つ問題があった。


(僕の本職は研究なんだけどな~。)


そう、私は本当は研究をメインとして活動をしていた。


今回のテストでよい結果が残せたのも、いろいろな研究をするために、幅広い分野を勉強していたのが役立ったのだった。


しかし、それでも貴族の中では爵位的には真ん中のほうの伯爵だった。


まぁ、爵位が下のほうが人数も多いから、人数だけの順位で言えば確実に上位なのだが、それでも、長年勉強してきた僕の上にまだ上に人がいるのかと少しだけショックを受けてはいた。


そして今…


(はぁ、研究室に戻りたい。)


そんな事を考えていた。


理由は簡単だった。


今、貴族全員が集まって領地をどれだけ入手できるかについての会議が行われているのだが、本格的に領地経営なんかしてみたいなんて思っていない彼にとっては、そこまで魅力的ではなかったのだった。


しかし、家族の皆にがんばって来いといわれてしまった手前、いまさら辞退なんか出来なかったのだった。


なので余った場所をもらおうと考えていたのだったが、最初は爵位の高い順に欲しい領土を言っていくことになってしまったので、余る前に欲しい領土を言わなくてはいけなくなってしまったのだった。


(本当に領地経営に関しては興味が無いんだけど…)


そんな心の声とは関係なく、もう、侯爵の終盤まで来てしまっていた。


(さすがに、自分の決断で時間を延ばしてしまうのもいけないし、良い感じの場所を探すか…)


私としては、ゆっくり暮らして生きたいので、出来るだけ辺境でもなく、都会でもない場所を探していた。


そうすれば、危険は少ないうえに、いざとなったら王都のほうにも協力が仰げるような場所だったからだ。


そして、私は1つの土地に心引かれた。


(な、何だこの土地は…今までどこにも無いと思っていた資源がある。

この資源があれば今まで以上に研究を進められる!!)


今まで、私の住んでいた地域の回りには存在しなくて、しかも、大陸のどこにその資源があるのかもわからなかったので、入手することが出来なかったのだった。


しかも、この資源は現時点で利用用途が無いので、見向きもされていなかったので、市場にも流れなかったのだった。


なぜ、そんな物がこの地図に書いてあるかまでは彼があわてていたので、考えていなかったが、この資源をわざわざ調べ上げたのはアインだった。


アインからすれば、ある物はすべて書いておいたほうが良いと思って書いたのだが、アインからしても、ここまで反応する者がいるとは思っていなかった。


(この資源だけは、どうにかして入手しなくては!)


今まで、他の人の話を聞き流すようなことをしていた私だったが、その資源のある土地だけはどうにかして欲しいと思った。


しかし、そんな心の心配は無駄に終わり、自分の番まで、その土地は誰にも取られずにすんだ。


そして、私はすぐにその場所を取って、そのままもとの場所に戻ろうとした。


しかし…


「どうしたんだ?まだポイントが残っているぞ?」


そこで、私は付近の場所をとっていこうとしたのだったが、付近の場所は比較的平坦で、しかも、資源が少ないということで、その土地のポイントが少なかったのだった。


ここは本当に平原と呼ぶしかないような場所らしく、今までの貴族も取っていなかったので、結構な大きさが残っていた。


よって、ポイントを使い切るためには、この大きな土地を取らなくてはいけなく、面倒くさいと思いながらも、私はその土地を取っていった。


こうして私は領土を得たわけだが、果たしてちゃんと領民のことを幸せに出来るのか、私にもまだ分からないが、本格的に始まるまでは研究でもしていよう。


そう思いながら、これから先、資源をどのように使っていくのか考えるのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る