第371話王都改造
そして、アインは200人の人を、1枚の紙に、成績上位者から並べて行き、そして、その大きな紙を何枚か印刷した。
「よし、これで良いかな。」
「アイン様、ようやく完成したのですね?」
「ああ、この紙は、今回、成績上位者の誰がどの役職につくかを書いてある。
後はこの紙を魔国中の市町村に届けて、載っている人に王都に来てもらうだけだよ。」
今回は、さすがにこの国の市民のトップになるような人を決めることなので、決まった人には王都まで来てもらうことになっていた。
そして、アインはエリに紙を渡した。
「それでは、今から各市町村のトップにこの紙を渡してきますね。」
「ああ、あと、今回の発表は全ての町で正午にやりたいから、そのこともその人に言っておいて。」
「分かりました。」
そして、エリは部屋から出て行った。
今の時間は約10時。アインの部下たちの転移魔法を使えば、簡単に12時までに配りきることが出来るだろう。
そして、その後、アインは久しぶりの食事をして、休憩をしていた。
しかし、寝てしまっては、12時におきていることが出来るかわからなかったので、一応おきていた。
アインは、寝なくても生きていける体だったので、寝ないことは出来るのだが、寝てしまえば一回、思考が止まるので、ちゃんとした時間に起きられるかが不安だったのだ。
その後今回の200人に入っている人がいる街の監視カメラを見ていた。
今回のテストでは、少しだが、成績優秀者が多い人が多い街があるという偏りが少しだけあったので、その街だけを見ていた。
そして、12時になった。
その瞬間、各市町村にいた、アインの兵の監視の下、作業員とそこのトップが一斉に街の中にある一番大きな広場で大きな紙を公開した。
この紙は、村長や町長なんかも、まだ見ていなかったので、内容を知っているのは本当にアインだけだったのだ。
その紙が公開されたことによって、街の反応は2つに分かれた。
まず、全員が自分の名前を探すのだが、そこは殆どの人が載っていないので、いなくてもショックは受けても、大きなショックではなかった。
しかし、今回アインはこの紙を作るときに、選ばれたものの名前の横に3つの情報を加えておいた。
1つは、成績、今回のテストの点数が書いてあったのだった。
2つ目は、爵位。
今回から初めて魔国に採用される爵位の制度。
元々この国には爵位の制度が無かったので、よっぽど外の世界が好きなもの以外は、自分の爵位が書かれていても、分からなかったので、これを見て、反応するものは少なかった。
そして、最後の情報が、そのものが今住んでいる場所だった。
この最後の情報によって、その町の雰囲気が2つに分かれた。
まず、選ばれたものがいる街では、街中のものがその者を祝福し、そしてその日はいろんな店がセールなんかをしていた。
しかし、選ばれたものがいなかった街では、みんな、興味を失って、いつもの日常に戻った。
しかし、いつもの日常に戻れないものもいた。
それは、その町のトップだった。
自分の街から、1人も成績優秀者が出せなかったということで、自分の街は不要だと判定されてしまうのではないかと不安になっていた。
実際はそんなことはしないのだが、それでも、まったく情報を知らないトップのものにとっては不安でしょうがなかったのだ。
でも、そんなものたちを慰めている時間も無かったので、紙の一番下には、このような文が書いてあった。
『今回選ばれた200名。おめでとう。
今後の話をしなくてはならないので、今から5日後、王都への集合を命ずる。
これから、君たちはただの国民ではなく、人の上に立ち、そして国に従うものになったのだ。
そのことをよく理解していただきたい。
ちなみに、移動方法だが、選ばれたもののいる街には転移魔法を使えるものがいるので、そのものに言って、王都まで運んでもらいなさい。
準備が出来次第すぐに来るように。
私が5日後といったのは、王都の生活に慣れてもらうためだ。
出来るだけ早く王都に来て、王都の雰囲気に慣れてもらいたい。
我々は歓迎する。
魔王 アイン』
と書いてあった。
その文のとおり、今回の成績優秀者の中には、結構田舎のものもいる。
そのようなものは、なかなか都会の生活にはなれないだろうが、それでも、少なくとも貴族たちには、王都に1つは家を持ってもらうことになる。
そのような場所はあるのか?という、疑問は出てきそうだが、今回、アインは王都を一斉に改造した。
その内容は、今回の貴族制度が決まった時点で、街の外壁を一瞬で消し去り、その後、もっと外壁内が広くなるように、もう一回作り直した。
その際、王都を上から見て、中心部に家や店を構えている家には、多額の金を条件に、王都内の中の、今回出来上がった部分に移動するようにお願いしたのだった。
多額の金額というのは、本当に多額だったので、皆移動してくれた。
こうして、アインによる、国の改革はどんどん進んでいくのだった。
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