第356話発覚


そして、なぞの兵は、剣を持ち替えた。


「さすがに、これから先は小ぶりの剣にしなきゃばれるしな…」


そして、彼はそうつぶやきながら、後方のほうに行った。


何故、後方のほうに行ったのかというと、後方の兵のほうが前方の兵よりも弱いので、比較的簡単に倒せるからだった。


「さて、本格的に動くか!」


そういった彼は、魔法によって、透明になり、その後、後方まで全力で走った。


彼が通った後は、大きな風が発生して、周りの人の視界を奪っていった。


「な、なんだったんだ今のは…」


突然、トップが発生した地点にいた人たちは、そんな事を言っていた。


しかし、後ろの人たちはそんな事を気にしているほど、暇ではなかった。


「まずは1人目…」


そんな事を良いながら、なぞの兵は隠しやすく、なおかつ、心臓にまで届かないナイフで、神経の隙間に指した。


それによって、神経にはまったくダメージが入っていないので、指された人は、胸に少しだけ痛みを感じるだけだった。


「せいぜい、今のうちに仲間との会話を楽しんでおくんだな…」


そんな事を言い、その後も、後ろの方の兵をどんどん指していった。


痛みが少ないが、実際に心臓にはナイフが刺さっているのでどんどん体には異常が発生し始めていた。


「なんか…視界がぼやけてきたな…」


「おいおい、大丈夫か?これから敵兵と戦いというのに…」


「あ、ああ…何かな。」


その後も、その兵はあやふやな回答をし続けて、しまいにゃ…


「ちょっと、俺寝るわ。」


「おいおい、今は仮にも戦争中だぞ!?大丈夫なのか?」


「分からないけど、このコンディションのまま戦っても、だめだと思うから、一回寝るわ。」


そういって、その兵は眠りについてしまった。


そして、彼はもう2度と、目を開けることは無かった。


しかし、心臓を刺されて、隊長が悪くなり始めているのは、彼だけではなかったので、この後も大量の人が寝始めた。


しかし、1人の兵士が寝ないで、そのまま我慢するといっていたが、しばらくたった後に、倒れるようにして死んで行ったので、隊全体に、今の緊急事態が伝わり始めた。


そして、1人が死んだので、今まで寝ていた人たちは大丈夫なのかが気になった人が、他の隊員を調べた結果、寝ている人たちが、全員死んでいることが分かった。


「な、何が起こっているんだ…とりあえず、隊長に報告をしないと…」


この異常事態を隊長に報告しなくちゃいけないと思った兵が、離れている隊長の元に行って、死んでいる隊長も発見された。


「み、みんな、一旦落ち着け!」


そこで、一応副隊長のものが全員に落ち着くように呼びかけた。


「今一番大切なのは、死亡理由だ!こんだけ大量の人が死んでいるんだ、何か原因があるはずだ。」


そして、兵たちは死体から、何とか死亡理由を調べていった。


そして、胸元に空いた、少しの隙間を見つけた。


「まさか…皆!死んでいった隊員の胸元に小さな穴が開いていないか!」


そして、他の人も確認すると、しっかりと全員に穴があった。


「では、全員は何者かに胸を刺されて死んでいる…みんな!気をつけ…」


皆に警戒をするように言っていた副隊長が、早速何者かに胸を刺された。


「あ~あ。出来るだけ簡単に殺して周りたかったのに…ナイフの先に刺していた睡眠薬が弱すぎたのかな?」


「な、何者だ…」


死にかけの副隊長が最後の力を振り絞ってそう聞いた。


「何者か…だって?

どうせ死ぬ奴らにしゃべったって、意味ねぇだろうがよぉ!」


そういった瞬間、彼の姿が消えた。


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