第164話2階層
そして勇者たちは2階層目にもたどり着いた。
「ここは?入ったら分かった。炎のステージか。」
「どうやらそうですね。ここの階層に出てくるモンスターは皆、炎属性ですし、ここも洞窟ぽくって、狭いですから。」
「そして何より、この階層はずいぶんと暑いね。」
そう、このダンジョンの2階層はモンスターが暮らしやすいように、常にすべての場所が超高温になっていたのだった。
「とりあえずここも早く攻略しよう。ここにいては俺たちの体まで溶けていってしまう。」
「そうね。」
そして勇者たちは次の階層までの足を速めていった。
しかし、2階層にいる、モンスターがなにもしない訳も無く…
「お、襲ってきやがった。」
「そのモンスターはそっちで対応してくれ。」
「了解。」
そして勇者の1人がモンスターに対して、剣を突き刺そうと思ったのだが、いざ突き刺そうとすると、剣の先端が少しずつ溶けてしまっていたのだった。
「何!?剣が溶けただと?」
「ん?何が起きたんだ?」
「いや、モンスターに剣を刺そうと思ったら、剣の先端が溶けてしまって、突き刺せなかったんだ。」
「何だって!?剣が溶けただと?」
「ああ、そのせいでそのモンスターには逃げられるし。」
「いや、そんなことは問題じゃない。それよりも皆に早く報告しなくては。」
勇者の剣を溶かしたモンスターは表面温度1000度を超える超熱いモンスターなんだが、触れるまではそこまで熱そうなイメージがない形をしており、正直触れなければまったく害はないモンスターなのだ。
「皆聞いてくれ。このダンジョンには触っただけで人間の肌を溶かすようなモンスターが居るぞ。」
「ああ、分かっている。すでにそいつに何人かやられているからな。」
「な!?遅かったか…」
「皆、一部一部の肌が溶けてしまっているが、何とか全員戦えるぞ。」
「それはうれしい。それじゃあ、できるだけこの階層でも戦わないで行こう。」
この2階層目ではあまりモンスターが襲ってくることはなく、それどころか、できるだけ奥に奥に入れようとしていた。
「なんか意外と2階層目は簡単にクリアできたな。」
「ああ、しかしあの2階層目のせいで厄介なこともおきている。」
「何だ?」
「結構、みんなの武器が壊されている。」
「ああ、あのモンスターと戦うときに消費してしまったのか。」
「ああ、あのモンスターはこちらに攻めては来ないが、どうしても邪魔なときにどかすのに使ってしまったからな。」
「それじゃあ、どうする。自分の得意な武器がもうない奴も居るぜ。」
「そういう奴らには申し訳ないが、素手で戦ってもらうしかないな。」
「素手って本気か?この先、あのモンスターのような奴らがいたらやばいぜ。」
「それはないだろう。だってあのモンスターは強すぎるので、このダンジョンも結構な力を使って生み出したのだろう。あのモンスターと同じくらいの奴が量産されているとは考えにくい。」
「量産されていたら終わりだけどな。」
「とりあえずはどんどん進んでいこう。たぶんもうダンジョンからは出られないようになっていると思うから。」
「そうだな。」
そして勇者たちは3層目に挑み始めた。
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