第151話捕獲…完了
「隊長、王都は完全に制圧しました。この後はどうしますか?」
「う~ん。この中にいるのは王と宰相だけなのだが、隠していた兵がいると面倒なんだよな。」
「何故ですか?この兵だったら勝てると思うのですが…」
「王城の中に罠でも作ってあって、兵がそのスイッチを知っていたりする可能性もあるだろ?」
「そうですね。それでは誰かを偵察に行かせますか?」
「それができれば良いんだけど、罠があるかもしれない場所に自分から進んでいくような奴はいないだろ。」
「確かにそうですね。」
「なら、俺が行こうか?」
「行ってもらっても良いのですか?ハイヒューマンさん。」
「ああ、俺ならたいていの罠なら聞かないだろうしな。」
「それもそうですね。本当に行ってもらっても良いのですか?」
「ああ、それじゃあ、行ってくるぜ。」
そしてそのままハイヒューマンのアインの兵士は王城の中に入っていった。
~王~
「王様、城の中に誰か入ってきたようですよ。」
「本当か?それでは兵士が帰ってきたのかも知れんな。」
「さっき、外を見たときには馬車のようなものはなにも見えなかったのですけどね…」
「きっと、まだ他の国に侵攻を続けているからその状況報告をするために1人できたんじゃないのか?」
「確かにその可能性は大きいですね。」
「それじゃあ、出迎えに行くか?」
「王様直々にですか!?」
「今日は祝勝記念だ。私もがんばった兵くらいほめてやろう。」
「そういう日があっても良いですね。」
そして2人はハイヒューマンのいるところに向かって行った。
「何だ?前から2人来るぞ。」
ハイヒューマンの1人が王城の中を歩いていると奥から2人の人が現れた。
「おお、我が兵士よ。良くぞ連合軍を倒してくれた。今日は他国への侵略状況を教えに来てくれたんだろう?」
(まさか、俺が連合軍の人間だと気づいていないのか?)
「はい、王様。ただいまこの国の周りにある4国を攻めていっているところです。」
「おお、それはすばらしい。」
「今回はそんな王様に他国で見つけた貴重な物も見ていただきたいのですよ。」
そしてハイヒューマンは箱を取り出した。
この箱は箱の中に転移魔法が入っていて、発動すると連合軍の準備場所のど真ん中に出るように設定されていた。
「おお、その箱は何だ?あまり高そうに見えないが…」
「これはどうやら中に貴重なものが入っているようでして、もしも宝物庫などに入られたときにばれないようにしておきたかったのでしょう。」
「なるほど、それではこのしょぼい箱も納得がいく、それで中身は何だったのだ?」
「まだ確認していません。中身は王様に最初に見ていただこうかと。」
「中身を見ていないのに何で中に貴重なものが入っていると分かったんだ?」
「この宝箱には膨大な魔力がまとわれています。なので貴重なものかと…」
「よし、それでは早速開けてみるぞ。」
そして王が箱を空けた瞬間に王都の広間に3人が移動した。
「ここはどこだ?ずいぶんと汚くて、焦げ臭い街だな。」
「王様、いえ、愚王よ。」
「何だ貴様、兵士のくせにこの我を愚王だと言ったな?」
「やれやれ、まだ状況が理解できていないのか?」
「何なんだその態度は。!そこら中に兵士がいるではないか。」
「やっと気づいたか。」
「なるほど、ここは戦争の本陣なのだな?皆の衆この者が我が兵士のくせに我に対して無礼を働いた。ひっとらえよ。」
しかし、兵士は誰一人として動かなかった。
「何故動かないんだ?早くひっとらえよ。」
「本当に気づいていなかったのか…ここにいるのはすべて連合軍だぞ。」
「何だって?馬鹿なことを…連合軍は我が軍によって壊滅したとさっき主が申していたではないか。」
「それは嘘だ。俺は連合軍の一員だ。」
「何だと!我をだましたのか!誰かこやつを殺せ。」
「だからここにはお前の味方は誰もいないんだよ。」
そして、宰相と王は最後まで何かを叫んでいたが、動いていない2人が兵に勝てるわけなく、つかまったのだった。
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