第137話勇者様の入学準備


あれからも、勇者たちは自分のやりたいことをやって行った。


そして勇者の中にも派閥が出てきた。


「おい、今日も街で食うぞ。」


「はい、兄貴。」


「皆、勇者様が来たぞ。」


「どっちの勇者様だ。」


「悪いほうだ。」


「やべ、皆家の中に入れ。見つかるんじゃないぞ。」


不良勇者たちは市民からも恐れられていった。


「宰相よ。勇者たちはこっちの世界についてなんと言っている?」


「勇者様ごとにやっていることは違いますが、皆同じく、こっちの世界は良いといっています。」


「なるほど、それは良かった。今日は勇者様たちに行ってもらいたい所があるのだが、そこに行く準備をしようと思ってな。」


「どこでしょうか?」


「確か、勇者様たちはこっちの世界に来る前は学生だったのだろう?」


「はい、今回こっちに来た勇者様の共通点は同じ部屋で勉強をしていたそうです。」


「ああ、それは知っている。それで、今回は学校に通わせて見たいと思う。」


「大丈夫でしょうか?良い意味でこの国の市民たちは勇者様を敬っていますから。」


「そうだな。勇者様たちは誰からも敬われているから、この国では平等な教育ができないな…それでは国外で勉強をさせてみよう。」


「本当ですか!?他の国に勇者様を奪われる可能性は?」


「大丈夫だろう。それに勇者様にはこの国の良さを教えていったのだ。そう簡単に他の国に寝返ったりしないだろう。」


「そうですね。この世界にわが国以上に良い国なんてありませんね。」


「ああ、この世界で一番良い国は我が王国なのだ。それに勇者様たちもだんだんとこの世界になれて生きているし、そろそろ戦争でも起こすか?」


「良いですね。勇者の力があれば負けることはないでしょう。」


「ああ、しかも最近は周りの国がおかしな国と貿易をして、だんだんと生活が豊かになってきているらしい。」


「おかしな国ですか?」


「ああ、最近できた国になんだがな、いくつかの国がそこと貿易を始めたらしい、何でそんな新国と貿易をしているのかは分からないが、我が王国を差し置いて貿易するなど許さん。今はまだしないが、戦争するぞ。」


「分かりました、それでは最初にやることは勇者たちの国外の学校入学、その次に戦争準備ですね?」


「ああ、戦争準備はゆっくりでも良いがな。」


「それでは早速勇者様たちに言って来ます。」


この時の2人は思っていなかった。この学校入学からだんだんと王国が滅んでいくなど…


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