第101話王城 突撃


アインは領地に戻ってきた後に自分の兵を集めた。


「ついに例の国と戦うときが来た。そのため今から転移魔法で一気に攻め込んで行きたいと思う。」


「向こうの兵も戦うようですが、どうすればいいのでしょう?」


「君たちには基本的には宰相についている側の兵の相手をしてもらいたい。そして王城の中にいる兵は少ないだろうから、向こうの兵だけでも戦えると思う。」


「なるほど。王城の兵を自分たちで倒させることによって、自分たちで終止符を打たせるということですね。」


「そういうこと。それじゃあ僕は先に行っているから転移魔法が発動するまでここで待っていてね。」


「「「「「はい。」」」」」


そしてアインは兵の兵舎に戻っていった。


「あ、アイン様。」


「君たちちゃんと食料は食べた?」


「はい。アイン様が食料を大量に渡してくださったおかげで、全員に食料がいきわたりました。」


「そうか。それでは今回の作戦の説明をするよ。」


「はい。」


「今回の作戦は僕の領地の兵がもうひとつの兵舎にいる宰相側の兵を倒してくれるから、その間に僕たちが王城に流れ込んで倒そうという作戦だ。」


「あっちの兵舎の兵を任せてもいいのでしょうか?正直に言ってあいつらも強いですよ。」


「大丈夫、僕の兵はあっちの兵に負けるような弱い兵じゃないから。」


「さすがアイン様の兵ですね。」


「ありがとう。それじゃあ相手に感ずかれると面倒くさいから早く行こうか。」


そしてアインは宰相側の兵の宿舎に行き、転移魔法で自分の兵を呼んだ。


「それじゃあよろしくね。」


「はい。任せてください。」


そして転移魔法で今度はこの国の兵を連れて、王城の前まで転移した。


「アイン様、何故中まで入らないのですか?」


「だって、ここで中まで入ってしまうと後で僕のおかげだ。とか言う人たちが出てきてしまうから。」


「ほとんどアイン様のおかげだと思うのですけど…」


「それでも僕の魔法で中に入るよりも、君たちに自分たちの足で王城に入ってもらいたかったから。」


「確かに我々が王城に入るのなんて久しぶりですね。我々は王城に入れさせてもらえませんでしたから。」


「やっぱり差別されていたんだね。」


「はい…しかし今回アイン様によって、こうやって反撃の機会をいただけたので、よかったです。」


「それじゃあ中に入ろうか。」


「はい。」


そしてアインたちは中に入っていった。


~宰相~


「何だ?下が騒がしいな。」


「宰相様、今、宰相様に反抗していたものたちが王城に攻め込んでいます。」


「何!?でも平気だろう。あいつらにはまともな食事を与えていなかったはずだし、私に味方してくれる兵が食い止めてくれるだろう。」


「しかし、そっちの兵からの増援がまったく来ません。」


「何でだ?」


「どうやらそっちには別の国の兵が来ているそうです。」


「どこの国だ?」


「国名は分かりませんが、他の町を持っていった国だそうです。」


「またあの国か…これは増援は期待しないほうがいいな。」


「なぜですか?」


「正直に言ってあの国の兵は強いらしい。」


「では今、王城にいる兵はどうするのですか?」


「そっちは大丈夫だ。食料がなかったし、武器もなかったはずだからそこまで戦えないだろう。」


その後、宰相は余裕そうに待っていたが、ついに兵が玉座の間に来てしまった。


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