第12話 スキルを学ぼう

「蓮くんさっきからずっと黙ってるけど大丈夫ですか?」


 ああそうかずっと黙って微動だにしてなかったからな心配するのも当たり前か。


「ああ大丈夫だ。それよりスキル貰えるか?」

「どのスキルを複製すればいいですか?スキル強奪とか使えると思うんですけど…」

「ならそのスキル強奪を貰おう」

「はい、複製したら送りますね……送りました…」


メシア)スキル強奪を修得しました。


 あれ?いちいち教えてくれるのか、さてこれでスキルをコンプリートする算段が出来たな。


メシア)いえ、前も説明しましたがスキルの中には称号を持っていないと修得できないものもあるのでコンプリートは不可能に近いです。


 そう言えば説明されてたな。でも僕はメシアと話せるけど葵が話せないのは不便だな念話とかが有るといいんだけど。


メシア)それでしたら、葵様に向かって何かを念じてください。それで念話の実績が解除されるはずです。


 なるほど。そうと分かればやってみよう。こっち向け、こっち向け、こっち向け、こっち向け…………


「えっ、蓮くん?」


メシア)念話を修得しました。


 よしこれで葵とも念話で会話出来るようになったな。


(葵聞こえてるか?)

(れ、蓮くん?なんで蓮くんの声が頭に響いてくるの?…)

(念話ってスキルの効果だよこれで僕やメシアとも会話出来るようになった)

(メシアって何ですか…)

 メシア)私がメシア、マスターの解答者です。

(うわっ。びっくりした…)

(じゃあ、自己紹介も済んだところでそろそろ異世界に行きたいんだが)


 そう何かと忘れられてるがこのは異世界ではなくただの中継地点なのである。正直に言ってこの異世界人が全くいないここで時間を潰すのは飽きてきたからそろそろ行きたいんだけどなぁ。


「クレナイさん聞こえてますか。どうやら下界の方で勇者召喚の準備が出来たみたいなのでそろそろ異世界に行くための魔法陣が出ると思うので、魔法陣が出たらその中に入ってください」


 どうやら僕らの行く異世界の方で勇者召喚?の準備が出来たらしい。おそらく僕らを異世界人が勇者として召喚されたとして送るみたいだ。まあ適当に送ったら混乱するだろうし、あちらが召喚した事にすれば常識とかも説明してくれるだろうから楽だろうな。


(それじゃあ、魔法陣が出るまでここの魔獣を殲滅するぞ)

(わ、分かりました…)


 さてどうやって殲滅しよう、やはり魔法がいいかな、でもどんな感じかイマイチよく分かってないから使ったところでどんな規模になるか分からないんだよな。まあとりあえず使ってみるか。


「ファイヤーボール」


 the魔法のファイヤーボールさんを使ってみました。これがゲームならサッカーボールくらいの火の玉が出来たはずだけど。うわぁ、やばいな僕の身長よりも大きな火の玉が出来た。これ投げたらどれくらいの被害が出るんだろう。まあやってみたら分かるか。僕は火の玉を魔獣の群れに向かって飛ばしてみた。飛ばした感覚は自分と繋がってる物を投げる感じに近いかな。そして投げたファイヤーボールは ジュウ ドカーン ガラガラガラガラ となって魔獣を軽く20匹ぐらい一気に倒してくれた。これだったらインフェルノとかメテオとかやった日には大惨事になりそうだな。


「蓮くんすごいです。あんなにいっぱいた魔獣を1発でたくさん倒しました」


 いやファイヤーボールだけどね(笑)。後魔獣からスキルを幾つか奪えたみたいだ、えーとメシア先生説明お願いします。


メシア)今回修得したのは身体強化 魔力増強 植物操作です。

 植物操作とは辺りに生えている植物を操り攻撃や防御など様々なことをさせることが出来る能力です。身体強化と魔力増強は勇者スキルの下位互換なので説明はしません。


 植物操作かエルフみたいな力だな。


「蓮くん、足元に大きな魔法陣があります…」


 おお、本当だ魔法陣が出来てる。ということはようやく異世界へ行けるみたいだな。一様もう少し葵の方に近くによって。

よし、これで準備は出来たな。


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