16. 本当にあったスプラッタな話
梅雨だから雨ばかりなのはしかたないけれど、夫の汗かきシーツはいい加減どうにかしなくてはいけない。
「とはいえ洗っても乾かないし、コインランドリーで乾かすなら全員分のシーツを洗いたいなぁ、乾燥機代同じだし」
わたしは夫のシーツをはごうと掛け布団をはぐった。
「ひゃ!?」
こんな女子らしい悲鳴をあげたのはいつ以来だろうか。それはさておき、夫のグレーの寝具は、シーツから掛け布団カバー、枕に至るまで赤黒く染まっていた。
もちろんシーツのみならず、本体にも染み付いておりグロテスクだった。
「うそでしょ」
一応、夫が着替えたスウェットも確認してみると、ボトムは黒くてわからないがトップスは黒く変色した血が襟回りについていた。
「なにこれ…鼻血?」
たしかに昨夜トイレに起きたとき、夫が鼻をやたら擦っていた。濡れた音がしていたが、アレルギー持ちの夫のことだから鼻水だろうと思っていたのだが…
「朝ごはんのときその事聞いても寝てたからわかんないっていってたけど…」
寝ながら鼻血を垂れ流すなんて…。
それからしばらく、夫はときどき鼻血を出していた…。
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