わたしと娘とときどき自衛官

9. 最近のキッズカート

　スーパーのキッズ用カートは多種多様なようだ。中でも近所のスーパーがちいちゃんのお気に入りだ。

「子供用っていうとキャラクターカートだと思ってたけど、そうじゃないのもあるんだなぁ」

　ここは車型のカートで、屋根やハンドルがついていてドアの開閉もできる。ドアは外側から保護者がロックをかけることができるので、こどもが開けるのは至難の技だ。

　でも内装はいたってシンプルで、ハンドルがついているだけなのだが、ちいちゃんにはツボらしい。

「ぶっぶー！ぶっぶー！ばっぶー！」

　毎週特売日に行けば混雑必須のスーパーで一生懸命「ぶっぶー」という娘……。かわいいけど恥ずかしい！！

「あらあら、お買い物いいねぇ」

「！」

　中高年層に話しかけられるとピタッと止まって申し訳なくなるし、40～50代のご婦人を見つめて「ばっばー」と言ったときは冷や汗が吹き出た。

　※ご婦人は笑顔で手を振ってくれました

　話を戻すと、ここのカートを気に入ってくれてるのは本当にありがたい。なぜなら…

「ぱんぱん！」

「そうだねー、アンパンマンだねー」

　ちいちゃんの大好きなおやつやジュース、キャラクターがいても、掴んで取ることが困難なのだ！

　ドアがついているだけでこんなにも取れないものなのかと感心し、最近は着くなりすぐにキッズ用カートにのせてしまう母なのだった。