第47話 だっこのあたたかさ





 新生児の頃、おっぱいを吸うのはとっても上手だけど、口の中に上手に入れないと、皮膚だろうが服だろうがずっとちゅっちゅし続けてたちいちゃん。



 初めての授乳に苦戦したけれど、吸うのが上手だったおかげでなんとかなったいた。





 1ヶ月までは、ちいちゃんの飲む量に対してわたしからの供給が多く、搾乳したり、飲みすぎて吐きもどすことも。





 そんなちいちゃんも、半年を過ぎて今ではおっぱいを見ただけで口をあけて、「はよ入れい」と言わんばかり。




 でもふと、こんなふうに、だっこして授乳するのはあとどのくらいなんだろう、と思う。




 頻回授乳で、昼夜問わずおっぱいおっぱい言われていた頃は、早く卒乳してくれないかな…とひっそり思ってたのに。




「ちいちゃん」



 一生懸命飲む姿も、1日7回ほどしか見ない。



 最近は離乳食が順調なおかげで、少ない日は5回のこともある。



 なんだかさびしい。



「ちいちゃん、だいすき。ゆっくり大きくなってね」



 発達がはやくても、もう少し、甘えん坊でくっついてくる可愛い赤ちゃんでいてね。




 ………きっとこの思いは、母乳育児でもミルク育児でも関係ない。


 大好きな我が子を腕に抱いている時間は、特別な時間だ。




 そう思い、ばあばにも当時のことを聞いてみた。



「え?うちはミルクだったから、一刻も早くミルク絶ちしたくてさ~、昔は今よりミルクが高くて大変だったんだよ?生後2ヶ月から仕事してたし、そういう温かみは、ないかな!!」




 ………うーん、なんだろうこの温度差。




「子供はちゃんと育ったしね!!」



 つよい。

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