第46話 室温事情




 ちいちゃんは暑がりだ。



「お風呂はいる前にちいちゃんの寝顔見ていい?」



 ばあばは仕事が午後からの時、帰宅すると必ず孫の寝顔を見に来る。


 初孫は可愛いらしく、会いたくなってしまうようだ。



「って、なにこの部屋、寒くない?」



 室内の温度は26℃。


 わたしが寝るときにタイマーにするので、ちいちゃんはずっと涼しい部屋で寝ている。



「んー、わたしはそんなことないけどなぁ。まぁ涼しいね、くらいじゃない?」


「いやいや寒いって」



 寒がりのばあばにはだめなようだ。



「ちいちゃん、風邪引かせんようにね」



 ばあばはそっと戸を閉めながらささやくように告げて去っていった。



 …………でも、この子は本当に暑がり。




 この室温でも背中はぽっかぽかだし、夜中にエアコンのタイマーが切れるとほどなく目を覚ます。



 そのため夏の間はほぼエアコンつけっぱなし、涼しい部屋での生活なのだ。




「ちいちゃん、かあちゃんは秋が恋しいよ」




 ああ、6月まではほとんど目覚めなかったのになぁ。



 9月は涼しくなることを祈ってるよ。

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