第44話 夜の大冒険





 ちいちゃんは移動するタイプの寝相で、それがまたすごい。



 ふすまで仕切れる和室でお布団で寝ているわたしたち。


 夫がいるときは娘を真ん中にはさんで寝ていますが、基本はふたりなので室内は余裕たっぷり。




「ち、ちいちゃんどこまで行くんだい?」



 2ヶ月くらいまでは、こんな小さな赤ちゃんを潰しちゃったら……とこわくてお布団を離して寝ていましたが、3ヶ月ごろから添い乳にトライするためお布団をくっつけるように。



 今では、寝返りや背バイでどこまても突進し畳やわたしのお布団にいることもしばしば。




「ん、ん~……」



 畳にいってしまった娘を戻すのはとても緊張する。



 だっこしたら起きるのではないか?泣いてしまうのではないか?とドキドキ。



 でも最近はそれ以上にドキドキすることも………。








「むにゃむにゃ………ん?」



 深夜にからだの一部がやけに熱を持ち、汗をかいておきる。その正体はもちろん、



「ちいちゃん…」



 ぴっとりとわたしにくっつくちいちゃんは、とてもかわいい。


 …でもね、わたしが寝始めてから一時間半、ちいちゃんのお布団から離れてはじーっこで寝ていたわたしにくっつくなんて…………。




「………どこまでいくつもりだい?」




 夢は大冒険、かな。

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