一緒に転生した奴が痛い主人公なんですが
煽詐欺
第1話 ちょ、お前マジふざけんなよ
「ううん……?」
目が覚めてまず目に入ったのは幼馴染の顔。
「お、目が覚めたか。どうやらここは異世界のようだ」
……なんで分かるんですかね?
ともかく、言われてみれば異世界っぽい。足元には魔法陣っぽい何かが描いてあるし、多分召喚されたかなんかだろう。
って待て、異世界ってなんだ。世界が違うならなぜ呼吸が出来る?酸素が都合良く俺らの都合の良いように配合された大気があって、重力に違和感がない以上恐らく地球とほぼ同じ大きさの星で、外気温が二十度前後すなわち恒星の大きさと距離のバランスが太陽系と同じように取れていて、俺らが見ただけで発狂するような文化を持たず、天井の高さから恐らく俺らと同程度の大きさを持つ知的生命体がいる、だと?
いやこれ奇跡なんてレベルじゃねえだろ。御都合主義ここに極まれり。
「ステータス!」
幼馴染がなんか叫んでいる。多分「お約束」だろう。やめてくれ。俺は今この世界でどうするか考えているんだ。
「僕が勇者……?」
いやそういうのもいいから。大人しく元の世界に戻れる方法探そうよ。どうせ次に身につけるスキルは「鑑定」か「探知」だと思うんだ。もういいよ。帰ろうよ。
「探知……誰か来るな」
ほらぁ。
「おお、勇者が二人もとは!」
入ってきたのは見たところ王族……王族!?
「な、なぁ、なんで土下座なんてしてるんだ?」
そりゃそうでしょう!?
王族なんてのは平民が前を横切っただけで死罪とか平民が勝手に口を利いたら死罪とかそんな人だらけなんだよぅ!元の世界でもそうだったでしょお!?なんで立ってんの!?せめて跪け!!
「ふむ、そちはなかなか礼儀を嗜んでおるようだの、よい、面をあげよ」
セーフ!礼儀は合ってた!セーーーフ!!相手に言葉も通じるし見た目も人間!御都合主義万歳!
「恐れ入ります!……誠に唐突かつ勝手ながら私めにどうか、一つ申し上げることをお許しくださいませ!」
「よい、申せ」
「かの者と私めは王族のおらぬ世界より参りし故、どうか非礼をお許し願いたく存じます。そのためならば私めをなんなりと!」
順応しろ俺!目の前の王族を怒らせたら全てが終わる!ジ・エンドだ!
「よい。儂もそちらにはなんぞ求めておらぬ。もとより全ては儂らがそちらに頼まねばならぬこと。礼を解いても構わぬ」
た、助かった……?
とりあえず土下座はやめて跪くくらいにしておこう。
「んで、王様。頼み事って何?」
ああああああああああああああ!!
胃が!胃が裏返る!やめて!せめて敬語使って!初対面の人には敬語って小学校で習ったでしょおおお!!!
「うむ。そちらには魔王を討伐して貰いたい。異世界より呼び立てておいて唐突だろうとは思うがな」
「でも僕たちはこの世界のこと何も分からないんだけど……」
「案ずるな。従者をやろう。なんぞ解せぬことは訊けば良い」
ここだ!割り込んでこの話を終わらせよう!んで魔王倒して帰る!それでいいよもう!
「ありがたき幸せ!」
「従者って女の子?」
やめて!!!話を終わらせて!!!
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