勇者と魔王

プロローグ

ザアァァァ……。



無数の死体がある戦場に、強い雨が降る。


その強さは、声も音もほとんどかきけしてしまうほどだ。





ーザシュッ。




そんな中、一人の女性がもう一人の女性の胸を剣で刺した。


彼女は勇者であり、刺されている女性は魔王だ。


崩れていく魔王を、勇者は支える。


「何故……何故こんなことを……。」


勇者は、目に涙を浮かべながらそう言った。


「……っ、何故! 」


再度、勇者は涙を流しながら叫ぶ。





だがその問いに、魔王が答えることはなかった。

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