第89話 吹雪

〈グレープ視点〉

「こーとのおかげで寒くない♪」

僕達PPPとマーゲイは、みんなでゆきやまちほーの温泉に行くことになった。

「温泉楽しそ~……最近オフがいっぱいだけどどうしたの~?」モグモグ

フルルはまたじゃぱりまんを食べている。たまにじゃぱりまんに嫉妬するくらいだ。

「まあフルルとグレープにはゆっくりしてほしいなと思ったのよ♪」

「そっか~ありがと~」モグモグ

フルル可愛いな……と思いながら僕もフルルから貰った桃味のじゃぱりまんを食べた。口に入れた途端、桃の味が口いっぱいに広がる。甘い。まるで僕の実った恋のように……


〈プリンセス視点〉

「……2人ともぼーっとしちゃってるわね?」

「ま、お互いのことを考えてるかもだぜ?」

「それなら、好きなだけぼーっとしてなさいよ♪」


〈グレープ視点〉

やっぱり本当にフルル最高だって……

「うふふ、フルル?グレープ?」

「あ、着いた~?」

「着いたわよ♪」

ずっとぼーっとしてて……気付かなかった。


〈プリンセス視点〉

「ギンギツネ!キタキツネ!いるかしら?」

「はいはい!いるわよ……あ!PPPのみんな!」

呼んでからしばらく経ってギンギツネとキタキツネが出てきた。

「ちょっと2人にはお話があるのだけれど……ちょっとみんなは部屋に行って話はここで……」

「ああ、アレか♪」

「へ?何~?」

「行くぞ行くぞ」

「え?え?」

……そしてここに残ったのは私、ギンギツネ、キタキツネの3人。

私は事情を説明した。

「……ってことだから今夜の吹雪の話はしないでね。フルルが帰るって言うから。吹雪になること知らなかったフリして。」

「分かった。じゃあ泊まるんだね。」

「布団があっていいのはろっじと同じだけど温泉があるところがろっじとは違うもの。じゃあ、私達は温泉に入るから。」


〈グレープ視点〉

「あ、ここうどん食べた所~!ゴロゴロ出来そ~……」

「のんびり出来る部屋があるわよ?」

「あ、ギンギツネ達~」

外にいた3人が戻ってきた。

「案内するわ。そこでゆっくり休んでね♪1部屋にみんな入るかもね。布団は6個でいいわよね?フルルとグレープは同じ布団で寝たいものね。」

ギンギツネって結構世話好き……!

「じゃ、ついてきて」

「ふぁーい」

僕はギンギツネについていくフルルについていった。


〈プリンセス視点〉

「行っちゃったわね。今のうちに温泉入りましょ」

「そうだな!」


〈グレープ視点〉

……ん?フルルが隣で寝てる……。あ、そうか。あの後寝て……

(あ、フルル)

「ん~、眠いよぉ……」

(あ、ごめん。起こすつもりじゃ)

「あら?起きたかしら?みんな温泉入り終わったわよ。」

声の主はドアの近くにいるギンギツネ。

「あ、ギンギツネェ」

「じゃぱりまんあるぜ!」

そして部屋にはPPPのみんなとマーゲイもいた。

「食べる~」モグモグ

フルルの目が一気に覚める。僕もじゃぱりまんを食べる。

「……しかし困ったわね。」

「どうしたの~?」

「外が吹雪で帰れないわねこれ……」

外を見ると……確かに猛吹雪だ。ゴウゴウ音を立て、白しか見えない。

「え~?じゃあ泊まるの~?」

「そうね……ギンギツネ、お願い出来るかしら?」

「うふふ、いいわよ。さ、じゃぱりまん食べたら温泉入ってらっしゃい♪」

「ふぁーい」


そんでじゃぱりまんを食べ終え、ただいま温泉中……

「あ~……いいねぇ……」

透き通るような白い肌。ペンギンの黒さがない。

「気持ちいいね~……グレープ、よしよし」

(あ、ありがとう……♪)

幸せな時間……でもフルルが「熱くなってきた」と出てしまった。でも布団もあるしそこで……ね♪


「ただいま~」

「あらフルル。もう寝るわよ!」

ギンキタはいない。……別室?

「皆さんと寝れるなんて……はわわ」タラー

「マーゲイ鼻血出てるぞ~」

布団を見る限り左からプリンセス、コウテイ、ジェーン、イワビー、マーゲイ、僕とフルルって並びか……

「ふゎ~……眠くなってきた~……」

(じゃあ寝よ♪)

「うん!」



やっぱりフルルは温かい。吹雪もまるで嘘のよう。

きっとこのまま凍った心も溶けてしまうだろう。そうだといい……

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