第90話 感謝

〈グレープ視点〉

ん……

僕は朝起きた。起きてびっくりしたよ~。フルルの顔がめっちゃ近くにあって、フルルの唇が僕の嘴に触れてたから~……。

「ん~……?」

あ、フルル起きた。

「……あれ?グレープが近~い……あ、あれ……フルル、グレープにちゅーしたまま寝ちゃったの?」

(そ、そうなのかな~)

「えへへ、許して~」

(いいが)

「ありがと~♪いい朝だね~。みんなは?」

分からないと言おうとしたその時

「えぇぇぇぇぇ!///」

あのうどんを食べた部屋から声が……

(うどん食べた部屋にいるんじゃない?)

「あそこか~。行ってみよ~」


〈プリンセス視点〉

「えぇぇぇぇぇ!///」

ギンギツネが叫ぶ。

「静かにしてよ、フルグレが起きちゃうじゃない……」

「でも、本当に、ちゅーしたまま寝てたって……///」

「本当よ……」

やっぱりそろそろ結婚するわよとか言おうとしたけど

「みんなおはよ~」

フルグレが起きてきたからやめた。

「お、おはよう。もう吹雪も晴れたし今日は帰るわ。お世話になったわね!」

「また来てちょうだい♪」

「またげぇむしようね。」

「はい!是非!」

「ありがとう。」

「ありがとうございました!」

「ありがとうな!」

「ありがと~」

グレープもお辞儀して、私達PPPとマーゲイはばすに乗って温泉を後にした。


〈グレープ視点〉

隣のちほーだからかあっという間に着いた。

「じゃあ、今日の午前中はのんびりするわよ!フルルとグレープにはじゃぱりまんあげるわ。2人で仲良くね。」

そしてフルルには葡萄味、僕には桃味のじゃぱりまんが渡された。

「ありがと~!じゃあグレープ、食べよ~」

(うん!)

じゃぱりまんをくわえた僕とフルルはお気に入りの場所へ……


〈プリンセス視点〉

「フルグレが歩き出したわね……」

「追いかけよう」

みんな歩き始めるが……

「うわ!」ステーン

ジェーンが転ぶ。

「大丈夫か?」スッ

お、コウテイが手を差し伸べる……

「あ、はい!大丈夫です、ありがとうございます///」

こっちもいいわねぇ……


〈グレープ視点〉

着いた着いた。お気に入りの場所。フルルが座って、橋から足を出し、ブラブラさせる。ここが1番水面が太陽で輝いていて綺麗……僕とフルルはいつもここでじゃぱりまんを食べている。

今日もここでじゃぱりまんを食べる。黙々と。じゃぱりまんを食べる口が止まらない。

「美味しいね」モグモグ

フルルが口を開く。

(うん!)モグモグ

そりゃ美味しいよ。でも……

(フルルと一緒に食べてるから、だよ)モグモグ

僕がそう言った途端フルルは笑顔になって、僕に寄りかかった。

「しばらくこのままでいい?」モグモグ

フルルはじゃぱりまんを食べながら言った。

(もちろん。いいよ。)モグモグ

僕も優しい口調で返してあげた。

「ありがとう♪」モグモグ

可愛いなもう。


〈プリンセス視点〉

「はい撤収。これ以上見るのは野暮。帰りましょう。」

団長の命令!ってことでみんなフルグレに背を向け、楽屋へ歩き出す。

「本当いい感じだなー」

平行世界パラレルワールドでも彼氏さんとラブラブですよね。フルルさんって恋人想いですね。」

確かに……あ、これ継月のことよね?

「天然でマイペースだけど恋人のことも考えるフルルさんが最高ですぅ!」タラー

「マーゲイ。鼻血が出てるよ。」

「はわ!つい!教えて下さりありがとうございます……」

もはや日常茶飯事。

「ま、今回で4連応援は終わりよ。応援団はやめないけどね。じゃ、お疲れ様!後はフルグレに任せるわよ!」

我ながらいいこと言ったと思う。


〈グレープ視点〉

「(ごちそうさま~)」

(じゃあもう行k……もうちょっとこうしてようか?)

「うんうんっ♪」

フルルがもっと寄りかかってくる。嬉しい。水面がそれに反応するかのように揺れる。

「……本当にありがと」

フルルがそう呟いた。

(……こちらこそ)

僕も呟いた。



こちらの方がいっぱい感謝している。

僕を助けてくれたから。僕の本当の恋を導き出してくれたから。僕のそばにずっといてくれるから……

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