第87話 温感

〈グレープ視点〉

僕とフルルは今さばんなちほーに向かっている。プリンセスに『折角のオフ、さばんなちほーで遊んでらっしゃい!』と言われたからだ。

「もうすぐだね~!フルルはどうぶつビスケッツとかばんに会いたいな♪」

(僕も!楽しみ~)


〈プリンセス視点〉

「もうすぐフルグレを乗せたばすがさばんなちほーに着くわね……」

フルグレが笑顔で会話している。

「楽しく話してますね」

幸せそう……良かった!

「サーバル達にはフルグレ応援団のこと言ってあるのか?」

「もちろん!内緒ってこともね」

それは言わなきゃねぇ……

「あ、ばすが停まったぜ!」

「追いかけましょう!」


〈グレープ視点〉

さばんなちほーに着いた。

「わぁぁぁ……」

久しぶりに広がる草原を見た。広さは海のよう。でも所々に木が生えているのが海とは違う。

「ねえグレープは覚えてる?初めてここに来た時のこと……その時はどうぶつビスケッツとかばんには会わなかったよね。」

(ああ……覚えてる!それでその4人の話してくれて……僕の行きたい所ってことで水場に行って……こんなお爺ちゃんの僕でも覚えてるのはフルルのおかげだよ、ありがとう。)

「フルルこそ……フルルはやばい?ってみんなにからかわれてたけど、グレープはそんなことなかった。ありがとうグレープ♪」

フルルが僕に目線を合わせる。


〈プリンセス視点〉

「キスするわこれ。キスする。」

だってこんなにいい感じ……

「邪魔があってキス出来ないにじゃぱりまん1個だぁ!」

「同じく!」

「イワビー!ジェーン!」プンプン


〈グレープ視点〉

フルルの顔が近づく……その時。

「あー!フルルとグレープだ!」

「サーバルちゃん待ってよ~」

「この2人は伝説のカップルなのだ!」

「私とアライさんもだよね~?」

どうぶつビスケッツとかばんが来た。

「フルルさんグレープさんどうしたのですか?僕達……邪魔しちゃいました?」

「ん~ん?何でもないよ♪」

本当に嘘つくの上手いな~。


〈プリンセス視点〉

「はいじゃぱりまん」プンプン

「「わーい!」」

「やっぱりあそこではしない方がいい。今みたいに見られる可能性大だ。」モグモグ

「あ、そういうことね……」

てっきり応援やめたのかと……


〈グレープ視点〉

「……で?今日は何するのー?」

「はいはーい!木登りしちゃうよー!」

木登り……マーゲイが得意なヤツか。器用に登っていくアレ……

「ちょっとこの木でやってみない?うみゃみゃみゃみゃー!ね?簡単でしょ?」

「分かんな~い。」

「じゃあ僕がサポートしますよ♪よっ……」

「わ~簡単だ~」

いやかばんフルルの尻触ってるし!あ、かばん女の子だしいいか……ただ木登りの手伝いしてるだけだしね。

「僕も登ろっ」

「アライさんも登るのだ!」

「じゃあ私も~」

なんとかみんな収まった木の上。温かくて、おしくらまんじゅうみたい……暑いはずなのに平気なのは隣にフルルがいるから……かな?


〈プリンセス視点〉

「フルグレめっちゃくっついてる!ミッションコンプリート!」

「帰るか。」

「そうですね!」

「あいつらアツアツだな~。」

「私はPPPの皆さんと登りたいですぅ!」


〈グレープ視点〉

そして木の上からの景色を見ながら話してたらあっという間に日は暮れていた。

「ばいば~い」

「気をつけてねー!」

「さようなら!」

「じゃあねなのだ!」

「またね~」

そしてばすは出発した。4人がだんだん遠くなる。

「……グレープ、さっきの続き。」

(あ……)

フルルの顔が近づき……今度こそ成功した。

「……ありがと♪」

(こちらこそ♪)



フルルはとっても温かい。それは毎晩感じれる。

そんな温かいフルルがいたから緑色と橙色に凍った心は溶けてきたんだ。でもまだ溶けきってない。だから……もっと温めて……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る