一生懸命おしゃれアピール

第82話 腕輪

「かがみ?」

「そうです!博士が『としょかんから見つけたです。お前のアイドルの為にやるです。』と!」

マーゲイが何やら大きい物を持ってきた。『かがみ』というらしい。

「マーゲイ相変わらず声真似上手いな……それは何をする為の道具なんだ……ん!?何だこれ!」

「分身が出てきただと!」

「フルルがいる~」

何これ……かがみを見たら僕がいる。動きも僕そっくり。気持ち悪い!

「あ、それあなた達ですよ」

「「「「「え!?」」」」」

どおりで僕に似ていて動きも似てるわけだ!

「つまりこのかがみって物は自分を映す物なのか?」

「そうです!これを使えば練習しやすいかと!」

「面白そうね!早速使ってみましょう!」


「「「「「~♪」」」」」

「駄目よ!他の娘に合わせて!他の娘を見つつ自分の踊りを磨くの!」

「おー!ここでかがみが!だな!」

「そうね。かがみを見ながらやると分かりやすいわ。」

設置早々かがみが役立っている。僕もかがみを見ながら踊るが……かがみの中のフルルが綺麗、ってことでフルルの方も向いてしまう。

「大分良くなったわね。


……でも、何か足りない気がしない?」

「そうか?」

「私達アイドルに必須……うーん……」

「もうちょっと派手に?」

「あ、それ結構近いかも」

アイドルに必須……派手……うーん?


「もしかして……おしゃれか?」


「……!それよイワビー!」

プリンセスが明るい声を出す。

「アイドルにおしゃれは必須よ!みんなでおしゃれしましょう!」

「どこでだ?」

「まあおしゃれによるからねぇ……次のライブまでにするおしゃれを決めてね。」

次のライブか……結構近い。

「じゃあ練習はこれで終わり!おしゃれを決めましょう!」


「……あぁ~決まらない!」

「だよね~」

イワビーもフルルも決まらないらしい。

「グレープは決まったのか?」

決まらない……ってことはない。

つゆの時、あんかけに貰った腕輪がある。僕のサイズより少し大きいからフルルの為ってことは分かった。そしてあんかけは『フルルとグレープにとって、とっても大切な時、フルルにこれを渡してね』って言われた。何の為かは分からないが、まだその時じゃないと思う。だからそれまで僕がつけることにした。おしゃれってことにすればいいかも。

(フルル!これを僕につけて!)

「これ~?」

僕は腕輪をつけてもらった。やっぱり少しブカブカ?でも頑張れば落ちない。ちょうど良い。

「似合ってるよ~」

(ありがとう!)

「グレープは腕輪か~!俺はどうすれば……みんな決まってるのかな~……ちょっとみんなの所見てこようぜ!」

「そうだね~見よう!」

こうしてイワビーとフルルはみんなのことを見てくることにした。



フルルにはどんなおしゃれでも似合う。

フルルのおしゃれ姿が早く見たくて仕方がない!

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