撲滅フレンズツチノコちゃん

第77話 開始

「……」

俺以外誰もいない遺跡。セルリアンの気配も感じられないくらいがちょうど良い。

俺、ツチノコはこういうひとりぼっちの時間が好き。だからな……

「ツチノコ~!」

騒がしい時間は大嫌いだ!

「またスナネコか!何だコノヤロー!」

「今日はロックの日なので暑いさばくちほーで熱いイワビーがソロライブをするらしいです!」

「ナンダッテー!ってなるかボケ!」

……自分でも寒いノリツッコミだと分かっている。

「い、行くわけねーだろ!」

恥ずかしくなってきたから、ノリツッコミを紛らしてみた。

「僕、行きたいけど1人じゃ寂しいです……」

「じゃあ他のフレンズと行けばいいじゃねーか!俺はアイドルに興味ない!」

「落ちてたのですが、ツチノコが言ってたこいん?をあげますから」

「ナンダッテー!」

しまった。コインにつられて……

「じゃあ決定です!」

「あ"!?待て!腕を掴むな!嫌だぁぁぁぁぁ!」


「今日は集まってくれてサンキュ!」

来てしまったぁぁぁぁぁ……

「じゃあロックに行くぜ!『Rockin'Hoppin'Jumpin'』!」

「おぉ~……ロックですね。」

こいつ、ロックなんて分かるのか?


……気がつくとライブは〆のトークに入っていた。『早く帰りたい』って気持ちが強すぎて曲が頭に入ってこなかったのか……

「いや~……俺のライブ、どうだった?」

「フルルはロックを知らないから、フルルのソロ曲はやっぱりグレープに向けた『やくそくのうた』がいいなぁ~」

「グエー♪」

「お前ら仲良しだな~♪」

「うん///」

……

「ま、これで俺のソロライブは終了!またな!」


「……ライブ終わりましたね。ツチノコ?」

「あいつらリア充だ……ムカつくぅぅぅ……」

ポケットの中の自分の手に力が入る。


「……俺は確かに1人が好きだ。だがリア充はムカつく。だからあいつらのようなリア充を撲滅する『撲滅フレンズツチノコ』になる。」


「唐突ですね……それにどこかで聞いたような名前……確か撲殺天「おいやめろ!……まあ準備体操としてプリンセス×イワビーとかコウテイ×ジェーンでも狙うか……そうと決まれば作戦を!」

そう言って遺跡に帰ろうとしたその時。スナネコが俺の腕を掴んだ。

「……僕も付き合います!」

「はぁ!?」

でも断る理由が見つからない。面白がっているだけかもしれないが、もしかしたらスナネコもリア充を不快に思っているのかもしれない……

「……付き合えよ。」

「はい!ありがとうございます!」

「ただぁし!飽きたら殺すぞぉ!?」

「おぉ~怖い怖い……」


「……俺が考えた作戦は単純。あいつらがイチャイチャし出したら全力で邪魔をする。怒られるから『わざと』ということはバレないようにな。」

「はい。あ、僕の考えた作戦はないです……」

「だろうな」

「でも僕、ツチノコが考えた作戦で頑張ります!」

信憑性が低い、きょとんとした笑顔。スナネコはいつもこういうきょとんとした顔をしている。何を考えてるんだか……



こうして『撲滅フレンズツチノコ』とその相棒の活動が始まった。

果たして俺とスナネコはフルグレを撲滅出来るのか……

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