第76話 七色

「今日からは……もうそろそろ晴れてくるから遊び大会終了だよ~!」

突然の遊び大会終了。

「私は現在のPPPを見れただけで充分だ!帰るぞ♪またな!イシシシ!」

「「「「「あ、先輩さようなら!」」」」」

「自分も外の世界に帰らないと……」

「「「「「じゃあね!」」」」」

こうしてジャイアント先輩とあんかけは帰った。


「……ってことで明日は晴れるらしいからライブよ!でも練習は遊び大会の合間でたくさんやったから……今日は少し休みましょう。」

「雨もちょっと量が少なくなった気がするし、あんかけさんの言う通りもうそろそろ晴れますかね?」

マーゲイは外に手を差し伸べ、「ひゃっ」とすぐ引っ込める。

「じゃあ解散!」

みんな巣に保管しておいたじゃぱりまん食べに行くだの雨水飲んでみたいだの散らばっていく。マーゲイは相変わらずスケジュールの確認をする。

(……で、フルルは何するの?)

「うーん……ちょっと外に出よっか」

フルルが傘を持つ。

(うん!)

僕は外に出て傘をさすフルルについていった。


「……グレープ、傘に入ってる?」

(多分……でもどうした?)

「この身長差だと分かりにくい……やっぱり抱えていくのが1番かな♪」

僕はフルルに抱えられた。冷たい雨の中でもフルルは温かい。

「……あ、フルル達の巣が見えてきたね~」

(……ん?)

巣の近くに何かある。そういえば巣の周りなんてあまり気にしなかった。

(岩……かな……?)

「え?あれ?そうじゃない?」

よく雨+老眼で見えない……でもフルルが岩に近寄ってくれたおかげでよく見えるようになった。

(……あれ?この岩、とうぶどうぶつこうえんの……フルルのパネルがあった岩に似てる……)

「本当~?確かに……何か乗りたくなってきた……乗っちゃえ」

そう言うとフルルは岩に乗った。

「……お~!高~い!」

フルルはジャンプした。

「空が近くなった気がする……」

確かにそう感じる……フルルはこの岩が気に入ったようで、座り出した。

「しばらくこうさせて……」

(いいよ~)

それきり沈黙の時間が流れた。


しばらくして、空から光が差し込んできた。

「あれ~?何あれ~?」

(これはもしかして雨が止んで……)

……でも少し寂しい気がした。あいあいがさがなくなってしまうからだ。雨よ、止まないでと願っても止んでしまう。ついには雲がどんどん流れて晴れて……

(……空が、青い)

「晴れたね~」

フルルは傘を閉じてしまった。……もう少しあいあいがさをしていたかったな。そんなことを考えていたその時。

(あ……)

「虹だ」

晴れ渡った空に、七色に輝いてる虹がかかった。

「綺麗……ここから見る虹は綺麗だよ……」

フルルは笑顔で虹を見つめている。僕も虹を見つめる。

……幸せな一時を過ごした。



僕の虹の中に緑色や橙色はない。

あるとしたらジェーンの橙色やマーゲイの黄緑色。

濃い桃色、黄色、橙色、赤色、黄緑色、薄い桃色、紫色。パフィンは空色だから、空の役。

色とりどりの中で、最も笑顔なのは紫色と薄い桃色だろう。

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