第48話 美味

今から僕達はゆうえんちへ行く。

ゆうえんちでライブをする為!

「じゃぱりまん美味し~!」

「じゃぱりまん……ゆうえんち……フフッ」

「プリンセスどーしたのー?」

「ゆうえんちってフルルとグレープがファーストキ」

「言わないでよ~///」

この流れ……僕フルルとキス出来るのか……やった!

「今日はキスの日だし……」

プリンセスがフルルに耳打ちする。だんだんフルルの顔が赤くなる。

「でもでもでもっ!///」

何て言ったんだ……気になる……!


「全く、遅いのです!」

「博士!助手!」

「もうステージの修理も終わって客も集まっているですよ。」

「ごめんなさい、じゃあ始めましょう!」

歓声が響く。


色んな歌を歌い終わり、『やくそくのうた』の番になった。

「心の中のきみは……」

何でだろう、少しオドオドしているように見えた。

なんとか『やくそくのうた』は終わり、『ファーストペンギン』の番。

何だろ……フルルの元気は嘘の元気な気がする。


そして全ての歌は歌い終わり、セリフパートに。

「いやーもう終わっちゃったな」

「時が経つのは早いものね」

「口……じゃなくて!」

フルルの天然ぶりにお客さんの間で笑いが起こったが……いつもとは違い、フルルは赤面した。何故……


そしてライブは終わり、お客さんも帰った。

「さあ、後は遊園地で遊ぶかとっとと帰るかして下さいね。」

「我々は帰るですよ。我々はこの島の長なので忙しいです。」

そう言って博士と助手は飛び立った。

「パフィンちゃんも遊ぶでーす!」

「パフィン!」

成る程……お客さんの中にパフィンがいて、帰ろうとしたらマーゲイを見つけて残ったって訳か……

「私観覧車乗りたいわ!」

「プリンセスは俺と!」

「じゃあジェーン、行こうか」

「あ、はい!」

「高い所好きです!」

「パフィンちゃんもー!」

……となると、僕とフルルで観覧車……えへへ


「これって飛んでるみたいでいいよね~」

(あ、うん!ペンギンには嬉しいね~)

「こんな景色を見ながら食べるじゃぱりまんは最高だね~モグモグ」

フルルは相変わらずじゃぱりまんを食べている。

(……僕もじゃぱりまん食べたい!)

「え?ごめん、ない……」

(じゃあそれ食べさせて!)

「いいけど……」

でもすぐには食べさせてくれなかった。少し何かを考えてるみたいで……

「あ!」

何か思いついたのか!?

「グレープ、『きゅうあい』ってのやってみて!」

(え?あ、ちくたさんの記憶……?)

「そうそう。いいからいいから……」

(じゃ、じゃあ……)

僕は外の世界でフルルのパネルにしていた求愛をした。

……その直後


嘴には柔らかい感触、口の中にはじゃぱりまんが流れ込んできた。


これって……口開いてたから……

「今日元気がなかったの分かった……?ごめんね、これをしたくてしたくて我慢してたの。」

したくてしたくてッ……

(フルルーーー!)

僕は耐えきれなくなってフルルにぎゅーした。


帰りのばす……

「……で、したんですか?」

「え……して……」

「フフッ」

「ジェーン私の真似すな……ウゴッ」

「ど、どうしたのプリンセス……?」

「イワビーが……こーひーかっぷ?で……『地獄の始まりだー!』って言ってグルングルン回した……オエッ」

ド、ドンマイ……



今日観覧車で食べたじゃぱりまんはいつもより美味しかった。

食べ物にはこういう味わい方もあるもんだな。

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